内容説明
日本橋室町の小間物屋紅梅堂の周辺をうろつく遊び人風の若い男を探りはじめた臨時廻り同心白縫半兵衛。そんな折り、北町奉行所与力大久保忠左衛門の妻加世の実家、旗本村上家の婿養子が行方知れずとなった。姿を消した彦之丞の行方を追うにつれ、紅梅堂との関わりが浮き彫りになっていく……。人気シリーズ第十七弾。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ひかつば@呑ん読会堪能中
7
このシリーズは初めて読んだが、人情話なんですね。表題の「夕映え」がなんともいい味だった。それにしても1話目は結局のところどう決着がついたのか分からないままだし、最終話には秋山久蔵が出てきたのには驚いた。だが思い出してみると剃刀久蔵のシリーズには白縫が出ていたような。同じ作者が描く主人公が違う出版社にゲスト?で出てくるのは面白い趣向だな。シリーズものだけれどどこから読んでも大丈夫そうなので遡って読んでみよう。2012/09/10
あかんべ
4
事件が起こって動き出す話が多い捕物帖。事件にならないように動く半兵衛はその中でも異色だろう。そこがいいところだが、実際そんな同心はいないだろう。半兵衛との親子感の対比なんかがあれば、もうちょっと趣があったろうにページ制限のせいか?残念2012/06/09
ちぎもも
4
題にもなった「夕映え」が秀逸。痴呆の老母との生活に疲れ果てた妻に捨ててきてと哭かれ、彷徨い逡巡する大工の佐吉の苦しさと儚い望み。心無い言葉を悔いる妻。半兵衛さんとその手下は事件になる前にと行方を推理しながら江戸を奔走する…無事に戻った老母と中年の子とその妻に救われない明日は続くけど、人を死なせない。罪も犯させない。凄惨な終末から回避させた本当の意味での治安に、一緒に夕映えをみた。お決まりの文と短文の多用で情緒には今一つ浸りきれなかったが、心は「そうか・そうだよね」と落着させてくれ、期待通りでした。゙2012/05/17
M2
3
シリーズ17弾。目新しいことはなくてもお馴染みの面々の変わらぬ姿に心が和みます。表題作の、思い出を辿る親子の姿に、そして半兵衛さん、半次、鶴次郎、弥平次ファミリーが必死で親子の後を辿る姿に、胸が熱くなりました。2012/06/25
ゆ〜や
3
定番の流れ、決め台詞だが、やっぱり好きなシリーズ。2012/04/23