内容説明
現代から過去へ―。私たちが生きる“いま”を出発点に、「なぜこうなったのか」と問いかけながら時代を一つずつ遡っていく。時代と時代の因果関係を浮き彫りにし、歴史の大きな流れを明らかにする、これまでに類をみない“新しい日本通史”。第1巻では、金融グローバル化や新興国の台頭に対応できない「漂流国家・現代日本」―その要因を冷戦終結(1989年)→中曽根内閣発足(1982年)→保守合同(1955年)→講和と安保(1951年)の“日米関係”のなかに見出す。
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感想・レビュー
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佐島楓
28
細かい政治家同士のかけひきが読めてよかった。良くも悪くも力を持った政治家の存在がこの国を動かしてきた。世界構造も今に比べればシンプルだった。2015/03/03
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28
戦後の日本がどのように世界やアメリカとつきあい今の日本になったのかということが平成元年あたりからさかのぼりつつまとめてくれているので非常に流れが掴みやすい一作になっていました。戦後から冷戦の時期を超え、日本は力をもったり暴走したり、時の首相によって日本の方向は変わっていく点がやはり興味深いところです。個人的には中曽根首相の外交をもう少し詳しく知りたかったのですが、自分の興味がどこにあるのか確認するには十分な内容でした。日本はこれからどこに向かていけば良いのでしょうね。もう少し詳しい文献をさがすことにします2013/08/12
鯖
11
通史が読みたくなったので、ちょっと変わったタイプのものをチョイス。読み出して、章ごとでも遡及するのだと思っていたので、湾岸戦争の後にカンボジアの話が来てあれ??…となってた。すみません。戦後60年は明治維新から国際連盟を脱退するまでにすっぽりと該当するとの記述に改めて愕然とする。それから20年、漂流する日本でどうにか舵撮りをとおっしゃるんだけど、現状あちこちを見回してみてもどんよりとした気持ちにしかならないのであった…。やれることを個人としてやるしかないんだけど。2017/07/07
ikatin
10
確かに現在の立位置から過去の意義を解釈する手法は分かりやすいし、脳に刻み込みやすい。しかし、この40年近く自分自身が身を持って時代を生きてきたはずなのに、歴史認識と理解があまりに薄いことにも気付かされる。わが国の現代史教育のまずさがますます腹立たしくなる。2012/02/18
RingWondeRing
7
「9条を守ります(てのは建前で、その隙に経済成長してやるんだ〜。)」って最初は周りを欺いてたはずが、いつの間にか狙いの部分がスッポリ抜け落ちて「9条を守ります。」だけを自分自身が信じ込んでしまってそのまんまてのが戦後ってやつなのか。。。一方、国を守れる軍備を自らするっていうのも現代の戦争のありかたからすると現実的なのかはわからない。けど、少なくとも現代と未来を見据えたビジョンは必要と思う。「9条!」のままではだめだよなあ。2019/10/24