内容説明
歴史には時代の流れを決定づけたターニングポイントがあり、それが起こった原因を探っていくことで「日本が来た道」が見えてくる。なぜ、明治期の日本は急速な近代化を実現できたのか。大日本帝国憲法発布(1889年)→明治十四年の政変(1881年)→内務省設立(1873年)→岩倉使節団の米欧派遣(1871年)の指導者の“信念”に裏打ちされた政策を見る。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
takizawa
7
官僚国家がどのように形成されたのかという観点から明治初期の歴史を振り返った本。征韓論争は「権力をめぐる政争ではな」く,大久保利通が西郷隆盛を大切に思い続けたことを示す記述が新鮮だった。2011/11/23
ブナ太郎
5
日本の近代国家に至るまでの過程を、主に大久保利通に焦点を当てて、解説している。中でも、印象的だったのは、西郷隆盛が政府を去ることになった政変が、決して権力闘争ではなかったということだ。ほかにも、大久保が、ドイツの鉄血宰相ビスマルクを「ビスマルク先生」と呼び、手本にしていたことなど、ただの歴史の出来事の羅列に終わらない歴史の実情を知ることができて、面白かった。図らずも、「るろ剣」を読みたくなってしまった。その理由は、読んだ人にはわかるだろう…。大久保さん…(涙)。大久保ファン必須の書です。2012/03/24
ごる
3
明治時代は近代化が進んだ時代であるが、その中核をになったのが官僚でしたよん。という本。その官僚制がどのように形成されていったのかというのを大日本帝國憲法から岩倉使節団にさかのぼりながら解説している。分かりやすかった。なんとなく明治がつかめてきた感がある。2015/08/24
takuchan
3
三傑(木戸、西郷、大久保)の相次ぐ死は、個の時代から組織(藩閥、政党、官僚制度)の時代への転換を決定づけた。/ 大久保→伊藤を中心に現代に繋がる官僚制度の設立の道を見ていく。この本を読むと大久保利通が好きになるなぁ。イギリスの文明開化を目の当たりにした際、寡黙になり円形脱毛症になったというエピソードも大久保の性格を物語っている。2014/11/04
きらきらり
2
近代日本の礎を築く上で官僚が果たした役割が理解できた。2014/03/17