内容説明
敗戦後、『きけわだつみのこえ』『雲ながるる果てに』『あゝ同期の桜』など数多く出版されてきた特攻隊にまつわる遺稿集とその映画から「特攻」表象の歴史的変容を読み、「特攻」が「反戦」「犬死」「忠誠」「殉国」「反逆」と多様な語られ方/読まれ方をしてきたプロセスを追って、戦後日本のナショナリティと「戦争の語り」の限界と可能性を照射する。
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目次
プロローグ
第1章 「正」と「美」の二項対立
1 戦争末期と特攻
2 学徒兵の「反戦」イメージ
3 「わだつみ」へのアンチテーゼ
4 「純真」な特攻像の受容
第2章 「犬死」の多義性
1 『あゝ同期の桜』の刊行
2 特攻の「任侠」化
3 予科練の遺稿集と映画
第3章 「殉国」の逆説
1 「忠節」への共感と反感
2 「殉国」と天皇制批判
エピローグ
あとがき
人名索引
事項索引
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
富士の鷹
0
様々な特攻についての遺稿集や映画の意図や反響を分析した書。あの戦争の目的はなんだったのか?特攻という手段は異常だ。国一丸となって戦争をすること自体が目的だったとしか思えない。国民全体が集団催眠状態だったのか?そんなことだから内外から戦争責任を問われても何一つ解決できないのではないか。目的が支離滅裂だから、どんなこまでが許容される範囲なのかなんて誰も考えていなかったということなんだろう。俺たち完全戦後派にその後始末のツケ回すなといいたくなるような良書2013/04/06
天婦羅★三杯酢
0
戦後の戦争映画とやくざ映画のいいレファレンス 戦争(映画)賛美を高めると、いつの間にか戦争と天皇批判になっていた。 頭ごなしに「戦争はよくない」という論は、感情的反発を招きやすい。 このように、「戦争結構カコイイ」という人にあえて異を唱えずに突き進む中で「あれ?」って思わせた方が、実は深いところで戦争に対する抑止力になるのではないか?2011/11/19
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