軍隊とスポーツの近代

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軍隊とスポーツの近代

  • 著者名:高嶋航
  • 価格 ¥3,740(本体¥3,400)
  • 青弓社(2023/06発売)
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  • ISBN:9784787220622

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内容説明

戦前・戦時下の日本の軍隊とスポーツの関係をめぐっては、これまで「日本軍がスポーツをするわけがない」「日本軍が民間のスポーツを弾圧した」という2つの神話が根強く信じられてきた。しかし、「神話」によって従来のスポーツ史と軍隊史、双方が見落としてきた空白が日本の近代史にはあるのではないか。
戦前・戦時下の海軍と陸軍のスポーツ評価や実際の取り組み、軍隊のスポーツ熱によって活性化した民間スポーツ界との交流・蜜月、陸軍による戦時下の弾圧の真相といった埋もれた事実を、多くの史料を渉猟して明らかにする。そして、欧米の軍隊でのスポーツの位置づけや、アメリカ軍の捕虜収容所でのスポーツの実態といった海外の事例とも比較して、日本の特異性を浮き彫りにする。
戦前から戦時下、敗戦へといたる過程で男性性(男らしさの価値観)や鍛錬・娯楽のバランス、そして皇室・軍隊・スポーツのトライアングルがどう変容したかを見定めて、軍隊とスポーツの新たな歴史を描き出す。

目次

序論

第1部 戦前の軍隊とスポーツ

第1章 海軍とスポーツ
 1 海軍兵学校
 2 海軍機関学校
 3 艦隊
 4 呉鎮守府
 5 横須賀鎮守府
 6 舞鶴鎮守府
 7 佐世保鎮守府
 8 海軍のスポーツ観

第2章 陸軍とスポーツ
 1 体操とスポーツ
 2 陸軍幼年学校
 3 歩兵第三十九連隊
 4 陸軍戸山学校
 5 陸軍士官学校
 6 陸軍スポーツの広がり
 7 「偕行社記事」のスポーツ論争
 8 陸軍のスポーツ観

第3章 デモクラシー時代の軍民関係
 1 オリンピック
 2 極東大会
 3 明治神宮大会
 4 デモクラシーと男性性

第4章 欧米の軍隊とスポーツ
 1 イギリス軍とスポーツ
 2 アメリカ軍とスポーツ
 3 フランス軍とスポーツ
 4 連合軍対抗競技会
 5 ドイツ軍とスポーツ
 6 捕虜収容所のスポーツ

第2部 戦時下の軍隊とスポーツ

第5章 海軍とスポーツ
 1 国内
 2 国外
 3 体育方針

第6章 陸軍とスポーツ
 1 反スポーツの底流
 2 国外
 3 国内
 4 民間スポーツ界との関係
 5 体育方針
 6 スポーツの「弾圧」と男性性

第7章 軍隊とスポーツの日米比較
 1 アメリカ軍とスポーツ
 2 捕虜・占領・スポーツ
 3 戦争のスポーツ化とスポーツの戦争化
 4 軍隊と娯楽

あとがき

索引