内容説明
戦前には「不気味なもの」として警察によって都市から排除される一方で、教育現場に包摂され活用された紙芝居。その歴史をふまえて紙芝居『墓場奇太郎』の怪奇譚としての一面を明らかにして、紙芝居とその時代に映る「不気味なもの」から幻想と異端の実相を逆照射する。
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目次
序章 境界と両義性を超えて
1 はじめに
2 トーテミズムから人類学機械へ
3 タブーから不気味なものへ
4 歴史の天使と民衆
5 紙芝居研究の原点
第1部 紙芝居はどこからくるのか
第1章 紙芝居の時代
1 昭和恐慌と紙芝居の流行
2 紙芝居の歴史
3 紙芝居の実態と地域性
第2章 紙芝居に介入する社会
1 統制と対抗
2 街路の学校化
第2部 物語とメディア
第3章 醜いヒーローの形態学
1 物語の原風景
2 『墓場奇太郎』の誕生と成長
3 地底と空の形態学
第4章 絵の〈声〉を聴く
1 紙芝居と〈声〉
2 マンガと文字
3 絵の〈声〉を聴く
第3部 〈不気味なもの〉たち
第5章 怪奇の近代
1 『遠野物語』と怪談の間
2 荒ぶる神の原基
3 不気味なものへ
第6章 〈不気味なもの〉をめぐる問題系
1 社会的周縁と象徴的全体
2 ケガレ論からの問い直し
3 聖なるものの両義性を超え
4 われらが自我の幻想とメディア
終章 越境するローカルなもの
1 「境界」と「道」
2 紙芝居のトポス
3 ローカルなものと交通空間
4 グローバルなものとローカルなもの
あとがき
人名索引
事項索引
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∃.狂茶党
takao