内容説明
ポジティブなイメージとして語られる高度成長期に農村部で拡大した自家製味噌造りや調理方法のリテラシー、旧正月から新正月への移行などを題材に、戦中から戦後に編成されていった「主婦」「家庭」という規範を読み解き、日常生活の微細な、しかし決定的な変容の実相に迫る。
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目次
序
第1章 ふるさとの味をめぐる戦前──高度成長期前史の農村女性
はじめに
1 地方の食へのまなざしと「名物料理」
2 大正期の代用食論議と地方へのまなざし
3 栄養への関心と「新農村料理」
4 「郷土食」と「国民食」
おわりに
第2章 「主婦」役割の編成と味噌自家醸造法の改善指導
はじめに
1 改善指導前の味噌の社会的布置
2 味噌をめぐる認識の布置の再編成
3 味噌醸造の場での社会的関係性と「主婦」役割の意識化過程
4 生活改善実行グループと多様な食の世界の広がり
おわりに
第3章 調理の習得とリテラシー──「主婦」役割の受容と「家庭」意識
はじめに
1 調理の習得と変容する台所
2 農村女性とリテラシーへの回路
3 「おかず帳」と多様な料理への回路
4 高度成長期と農村女性
おわりに
第4章 旧正月から新正月へ──「家庭」中心の年中行事への移行
はじめに
1 旧正月から新正月へ
2 生活世界の拡大と新正月への移行
3 焦点としての「家庭」
おわりに
第5章 お盆の戦後──帰省ラッシュ・成人式・盆踊り
はじめに
1 藪入りから帰省ラッシュの時代へ
2 盆と成人式
3 盆踊りの高度成長期
おわりに
第6章 「名物」の味/「家庭」の味──端午の節句と笹団子の現在
はじめに
1 笹団子の名産品化と表象される「新潟」
2「米どころ新潟」と笹団子
3 山北での笹団子の受容と現状
4 菖蒲の節句行事の再編成
おわりに
あとがき
索引
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小鈴
小鈴
高橋直也