内容説明
「これだけの下水溝をすべて探検して地図を作るには、何週間、いや、おそらくは何ヶ月もかかるだろう。だが、もしすでに下水溝の配置を知っている奴を見つけたとしたら?」「くず屋ギルドとか!」「もしくは《モグラ》だ。わたしを殴った奴は、何と言っていた?」「下水溝に見たことのない連中がいて、彼女の仲間を殺したって」「そうだ」円板と水晶の冠――呪いの品を敵の手から守り、孤独に耐える《守り人》ナイサンダー。かつての師匠、いまでは大切な友の抱える秘密に苛立ちを隠せないサージル。その陰で着々と〈オレースカの館〉包囲網を狭めるプレニマー。サージルとアレクに復讐を誓う黒呪術師アシュナジも、二人の痕跡をたどる鍵を手に入れ……各々の思惑が交錯する中、ついに実力行使に及んだ敵に、アレクたちは対抗できるのか!?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
小雪
5
アレクはもしかしたら…!? と思ってたけど、やっぱり!!サージルの葛藤や、まわりでやきもきしながらも温かく見守る仲間の優しさにじんときた。ふたりから零れ落ちる「タリー」という単語にドキドキする!そんな胸の高鳴りもつかの間、ついにプレニマーとの戦争が始まってしまい、ふたりが離れて行動していたことがなんとも切ない。雄鶏亭の気のいい人々の最期は本当にむご過ぎて言葉にできない。アレクが離れてしまってる今、サージルの心が壊れてしまうんじゃないかと心配になる。ふたりには常に一緒に行動してもらいたい…!つ、続きをー!2010/04/26
ちるる
3
サージルの過去にちょろっと触れたりアレクの素性が明かされたり、といったやり取りを挟みながらじわじわと忍び寄る戦の気配を感じていたら、後半で急展開きました。マーダスの殺戮が始まった。悪夢は悲劇の前触れか…。ナイサンダーが!アレクが!一気にピンチ!息をのむ展開に悲鳴をあげながら読み進めることよ…。2013/05/05
Alice@JazzCafé
3
<緑の貴婦人号>がついに就航!ラール船長の再登場がうれしいです。グウェセリン姫(女装したサージル)に心底惚れていたんですね。船長にはお気の毒でしたが、サージルの苦々しい顔や、笑いをこらえたアレクの様子を思い浮かべるとちょっと笑えます。<緑の貴婦人号> とラール船長の今後の活躍にも期待。さらわれたアレクを救いにいざプレニマーへ!(ところで私掠船と言えば『Fresh&Blood』の<グローリア号>、そしてジェフリーと海斗をつい連想してしまいました。マーダス卿がビセンテのような人だったら良かったのに...)2012/03/29
月華
3
再読 マーダス達の逆襲が始まりました。アレク行方不明、ナイサンダー重症、サージルの精神状態がかなりぎりぎりの所まで来ています。ベカ視点の話も入り、さらに物語が広がっているように思います。アレクとサージルの気持ちが徐々に近づいてきています。2012/02/21
夜風
3
後半は衝撃的でした。アレクの一途さが逆に悲劇を招いたとか辛すぎる(;ω;`) 発売日に買って読んだ人は続きが気になってうずうずしてたんだろうな・・・完結してから手を出してよかった((