内容説明
〈レンデルの槍〉が現れて日食と重なるとき、邪悪な〈兜〉は復活する。その儀式の贄を求めるマーダスにさらわれたアレクは、酷寒の船倉に囚われていた。身につけるものもなく、黒呪術師の執拗な拷問を受け、語ってはいけない秘密の記憶すら奪われてゆく。その頃サージルとマイカムは、衰弱したナイサンダーを〈オーレスカの館〉に残し、船でプレニマーへ向かっていた。残された時間はあとわずか。二人はアレクを救い出し、邪悪な儀式を阻止できるのか――!? 光と闇の対決、ついにクライマックス!!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
月華
6
再読 拷問シーンなど想像するとかなり怖いなと思いました。ベカは正にマイカムの娘だという印象でした。最後のシーンが救いです。2012/02/23
Alice@JazzCafé
4
光と闇の対決、ついにクライマックス!冒険や戦闘、そして人間ドラマとロマンスのバランスが良く、息つく間もなく一気読みしました。特にアレクの成長には目を見張ります。田舎の純朴な少年が、頼りになるたくましい青年に成長。最後はヘタレなサージルに堂々愛の告白!「あなたへの愛にはおよばない」の一言には胸キュンでした。シリーズ始まって6冊目にしてやっと唇を重ねるところまでたどり着きました。でもこの時間の経過があったからこそ、愛情の重みにも真実味があると思います。次の第Ⅲ部で二人の関係がどう進展していくのか楽しみです。2012/03/30
小雪
4
多くの犠牲があり、身も心もたくさん傷ついて、それでも一筋の希望がまっすぐ見えるような流れのある第2部だった。ラストまで読んでやっと肩の力が抜けた~!サージルとアレクの心の痛みは読んでいて本当に苦しい。でも、ふたりにはお互いがいる。彼ら以上に、セロの心情を思うとやりきれない……。師を失くし、嫉妬と欲望と凝り固まっていた自負で周りと自らの身を滅ぼしたセロは、これから何を思って生きるんだろう。2010/05/17
ひめ
4
迫力。あまりに人死にが多くてどうなるんだろうとはらはら… サージルもアレクも、ナイサンダーも、だけれど、いちばん運命に翻弄されたのはセロかもしれないなあと思う。 ラスト付近の描写が胸に迫るものがありました。2009/04/19
ちるる
3
第二部は一気読みでした。繰り返される拷問により精神をズタズタにされていくアレクの姿がつらい。サージルの教え、交わした信頼はアレクの心の支えとなりますが、その支えすら奪われる程。マーダスとの戦いがついに終結。しかしこんな結末は予想していなかったし望んでもなかった…惨いの一言。ナイサンダーの決意とサージルの慟哭がかなしい。アレクは成長したなぁ。アレクの愛情がサージルを癒してくれることを祈る。2013/05/05