内容説明
孔子一門をねらいうちにしてゆく妖艶な性魔術使い子蓉は、唯一術をやぶられた顔回を籠絡すべく陋巷を訪れ、ついに顔回の許嫁の美少女ヨに出会う。子蓉から鏡を貰ったヨだが、そこには恐るべき媚術が施されていた……。一方、三都の連続毀壊を密かに企てた孔子は、協力を申し出た政敵少正卯の真意を測りかねていた――。想像を絶する凄まじい死闘が繰り広げられる急転直下の第四巻。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
Norico
19
顔回を大好きな元気な妤がいなくなっちゃってかなしい。顔回、手遅れにならないように。それにしても少正卯気持ち悪すぎる。尼丘の闘いはリアルで長いしちょっと苦手。2017/05/07
もえたく
11
政治家孔子と異能者として支える愛弟子顔回を描く異色の中国歴史小説の第4巻。媚術を駆使する子蓉の魔の手が、顔回を慕う素朴な美少女妤に。そして、小正卯の奸計が孔子に牙を剥く。かなり孔子側が窮地に追い込まれて始め、次巻はますます危うそう。読むのを止められなくなってきました。2020/05/09
きいち
10
陋巷の顔回の家を訪れた子蓉。そこにいた顔路オヤジとの対峙はとても見応えがあった。美人に臆せずジロジロ見れてしまうこのオヤジもまた、顔回と同じく無邪気の人だ。子蓉を本気にさせないというのもウデなのだもの。そして、「徒」とは少正卯。無邪気ではいられなくなり手段を選ぶ余裕を失った太長老、この先どうなることか・・(このあたり、「七夕の国」の東丸家でのくだりを思い出した)。妤も。読むのは何度目かだけど、やはり心配。2013/02/15
りてん
4
暴走を始めた子蓉の媚の虜になってしまった妤と、顔穆亡き後失意のどん底にあった五六が結び付く。 「妤を守る」一度決意すれば直情怪行の人である五六に迷いはない。 五六の心に芽生えた経験した事の無い感情、師である顔穆もかつて抱いた痛みなのか? 少正卯VS顔氏の戦いも圧巻だ。2012/09/07
どぐりん
3
顔穆の死をきっかけに顔回との距離があいた五六と、子蓉の媚にからめとられた妤の出会い。顔氏を訪れた小正卯と大長老の静かな攻防、そしてそののちの激闘。物語がうねりをあげて大きく動いていくさまを、息を飲みながら読み進めた。時間さえつくれれば、一巻読み終わるのはあっという間。2012/11/08