世界2025年7月号

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世界2025年7月号


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内容説明

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目次

【特集1】憎悪の政治学
憎しみはどこから生まれるのか。
財務省解体を訴えるデモ、誹謗中傷が続く兵庫県知事選問題、 クルドの人々 や在日外国人への差別的言動……。「既得権益側」「自分たちの領分を脅かす」とみなす相手への敵意を煽り、それがSNSを通じて増幅される。
とどまるところを知らない苛烈な攻撃、その根源を照らす。

【特集2】私たちはなぜ不安なのか
癒えない疲労、頭から離れない不安、やめられないメールやSNSのチェック……この心の危機は、何が原因なのだろう。
個人に問題を閉じ込めない社会へ。生きづらさの構造を解きほぐしてみる。


■特集1 憎悪の政治学 
誹謗中傷の洪水に立つ――「報道特集」兵庫県知事選検証から 曺琴袖(TBS「報道特集」編集長)
取り残された人々の財政ポピュリズム――財務省解体デモの論理と心情 伊藤昌亮(成蹊大学)
女性への制裁という「エンタメ」――ミソジニーの収益化とColabo攻撃 小川たまか(ライター)
どのような憎悪か?――ランシエールから考える 鈴木亘(東京大学)
排外主義を動かす政治――クルド人差別とヘイトの本質 倉橋耕平(創価大学)

米中対立はグローバルな自由貿易体制をどう変えるのか 梶谷懐(神戸大学)
終末ファシズムの勃興 ナオミ・クライン(ジャーナリスト)、アストラ・テイラー(ドキュメンタリー作家)、訳=中村峻太郎(翻訳家)
〈連載〉午前1時のメディアタイムズ 第4回 ニュースをめぐる分断線 若林恵(編集者/黒鳥社)
日米「コメ密約」の闇──ミニマム・アクセス米と塩飽文書 山田優(農業ジャーナリスト)
研究不正の蔓延――日本の科学はどのように蝕まれているか 田中智之(京都薬科大学)
〈連載〉最後は教育なのか? 第10回 みんな受験を語りたがる――中村高康さんに聞く 武田砂鉄(ライター)
〈リレー連載〉隣のジャーナリズム 「大谷バブル」と忖度報道 水谷竹秀(ノンフィクションライター)

世界の潮
「エルドアンのトルコ」の急展開 今井宏平(ジェトロ・アジア経済研究所)
憲法問題としての教員の働き方改革――給特法等改正は学校を救えるか 髙橋哲(大阪大学)

■特集2 私たちはなぜ不安なのか
〈座談会〉人は会話しながら生きている 小澤いぶき(児童精神科医)×名郷直樹(医師)×松山純子(社労士)×森川すいめい(精神科医)
SOSを出さない日本人――規範を優先する社会 石井敬子(名古屋大学)
〈インタビュー〉雑談が人を救うこともある 松本俊彦(精神科医)
「自分疲れ」と社会――やさしく混じり合う場所がどこかにある 頭木弘樹(文学紹介者)

〈スケッチ〉ひらめきを書きとめる 古賀及子(エッセイスト)
〈夜店〉猟師の眼で見る 「熊問題」の人類学 北川真紀(東京大学)

〈連載〉原発事故 検証の空白 第2回 隠された雨の汚染 添田孝史(科学ジャーナリスト)
拘禁刑で刑務所はどうなる――刑務官は変われるか 浜井浩一(龍谷大学)
市民的エネルギー管理の可能性――理想と現実のあいだから 古賀勇人(マンチェスター大学博士課程)
〈シリーズ〉この社会の社会学 第6回 都市の「棲み分け」を可視化する 川野英二(大阪公立大学)
〈連載小説〉不屈のひと 物語「女工哀史」 第3回(最終回) 敵、襲来 石田陽子(文筆業、編集者)
〈シリーズ〉「戦後」解体 第4回 交差する暴力に抗う回路――在日朝鮮人の記憶とケアの倫理 李杏理(東京経済大学)
〈インタビュー〉「白人女性の闘いは、私たちの闘いではなかった」――『チャーチ・レディの秘密の生活』著者インタビュー ディーシャ・フィルヨー(作家)、聞き手=押野素子(翻訳家)

本との出会い
読書・鑑賞日記 読んで、観て、聴いて 中村佑子(作家/映像作家)
本とチェック 第26回 神保町の隣人たち 金承福(クオン代表)
言葉と言葉のかくれんぼ 第15回 隣国語の森 チョン・スユン(翻訳家)
戦後の悪人正機説――大澤真幸『西洋近代の罪』 藤沢周(小説家)

連載
アジアとアメリカのあいだ 第7回 人間を消す国、記憶も消す国 望月優大(ライター)
あたふたと身支度 第10回 いつかはグレイヘア 高橋純子(朝日新聞)
彼女たちの「戦後」 第10回 平野レミ──自由と歓待 山本昭宏(神戸市外国語大学)
「変わらない」を変える 第26回 バックラッシュとミソジニー 三浦まり(上智大学)
脳力のレッスン(277) ウクライナの影 ロシア革命そして満州国へ 寺島実郎
片山善博の「日本を診る」(188) これまでのコメ政策はミッションを間違えている 片山善博(大正大学)
気候再生のために 第34回 気候と社会の悪循環 江守正多(東京大学)
いじめ後遺症 第5回 「否認」という病理 斎藤環(精神科医)
ドキュメント激動の南北朝鮮 第335回(25・4~5) 編集部
記憶をもった鏡 西野壮平『Short Stories: Beppu』 戸田昌子(写真史家) 
岩波俳句 選・文 池田澄子(俳人)
アムネスティ通信
読者談話室
編集後記

表紙画――土屋未久(表紙 問う、 2025、裏表紙 夜になる 2025) 
キャラクター・扉絵――西村ツチカ 
アートディレクション――須田杏菜 本文デザイン――大原由衣+安賀裕子+都井美穂子

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