世界2024年10月号

個数:1
  • 電子書籍
  • ポイントキャンペーン

世界2024年10月号

  • 著者名:岩波書店『世界』編集部
  • 価格 ¥1,045(本体¥950)
  • 岩波書店(2024/09発売)
  • 秋の夜長に本を!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~10/14)
  • ポイント 270pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)

ファイル: /

内容説明

※本電子書籍は「固定レイアウト型」で作成されており、タブレットなど大きなディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大すること、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能は使用できません。

目次

【特集1】暴力と政治
いま、世界中に有形無形の暴力がひろがっている。
格差と分断が深刻化し、人々の不満が噴出する政治状況。SNSを通じて増幅された憎悪は、社会の機能不全を引き起こし、暴力の引き金となっている。そのなかで虐げられる多くは、弱い立場におかれる人々にほかならない。
元首相の殺害事件から2年、米国では大統領候補者の演説の場で銃撃が起こった。また、移民やマイノリティへの暴力的な振る舞いはあとを絶たない。
社会に浸透する暴力を、民主主義はいかに止めうるのだろうか。政治との関わりから考える。

【特集2】核危機の人新世
原爆開発を主導した物理学者の苦悩を描いた映画『オッペンハイマー』。物語が描く「マンハッタン計画」の陰には故郷を追われた先住民族がいた。
広島・長崎への原爆投下、冷戦下の核開発競争、チェルノブイリや福島の原発事故。人類は核によって、地球に不可逆の影響を与えた。核の時代は、「人新世」の幕開けであった。
誰が核の恩恵を受け、誰が核の被害を被ってきたのか。
異常気象や環境汚染。折り重なる危機が地球を襲ういま、公正な未来への道筋を探る。

■特集1 暴力と政治
「トランプ王国」は続くのか 金成隆一(朝日新聞)
欧州・右翼政党の台頭は暴力を引き起こすか? 古賀光生(中央大学)
「丁寧な説明」──形式的デモクラシーの〈他者〉の不在 米山リサ(トロント大学)
パワハラ知事の虚像と実像──内部告発と兵庫県政の混乱 松本 創(ノンフィクションライター)
アディクションの解放区へ──金融資本主義と「即時的報酬」の時代 鈴木 直(元東京経済大学教授・翻訳家)

〈大島理森・元衆院議長インタビュー〉「民主主義の本質」を問う 聞き手=青木 理(ジャーナリスト)
米軍基地を恒久化させる「費用肩代わり」 中澤 誠(東京新聞)
「騒然さ」が民主主義に活力を与える──地方政治から見える風景 木寺 元(明治大学)
〈新連載〉ひとりで暮らす私たち──中高年シングル女性の生活 第1回 つまるところは尊厳 和田靜香(ライター)
静かな“被災地”──能登を歩く 瀬尾夏美(アーティスト)
ハマース指導者暗殺は何をもたらすか 山本健介(静岡県立大学)
アンハールへの手紙──ガザ出身女性との対話から 金城美幸(立命館大学生存学研究所)
ドイツ「罪の克服」とはなんだったのか──イスラエルへの「偏愛」が生むレイシズム 駒林歩美(ドイツ在住ライター)
旭川いじめ自殺と「いじめ後遺症」 斎藤 環(精神科医)

世界の潮
佐渡金山 世界遺産登録が置き去りにしたもの 田玉恵美(朝日新聞)
バングラデシュ政変 学生デモ発の政権崩壊 日下部尚徳(立教大学)

■特集2 核危機の人新世
沈黙の廃墟──人新世に宿る植民地主義 石山徳子(明治大学)
「放射能とともに歩む」──マーシャル諸島 折り重なる気候危機 竹峰誠一郎(明星大学)
核の平和利用──福島原発事故と開発をめぐって 鴫原敦子(東北大学)

〈スケッチ〉反トランスの魔女狩り 李琴峰(作家)
〈夜店〉転がる石に苔は生える──「返還」以降の香港文化史のために 小栗宏太(東京外国語大学)
沖縄 女性たちの基地被害 山城紀子(ジャーナリスト)
抑圧の歌 解放の歌──植民地朝鮮のハンセン病療養所 フィールド・ノート 沢 知恵(歌手)
日本でレイプは犯罪なのか? デイビッド・T・ジョンソン(ハワイ大学) 訳=秋元由紀(翻訳家)
「少子化対策」としての卵子凍結 柘植あづみ(明治学院大学)
教員の「定額働かせ放題」はなくせるか──給特法改正をめぐる迷走 嶋﨑 量(日本労働弁護団常任幹事)
〈連載〉隣のジャーナリズム スタイルなき新聞と政治報道のこれから 西村カリン(ジャーナリスト)
〈新連載〉あたふたと身支度 第1回 詩集のためのポケット 高橋純子(朝日新聞)
言葉と言葉のかくれんぼ 第7回 日本文学の旅 チョン・スユン(翻訳家)

本との出会い
読書・観賞日記 読んで、観て、聴いて 長谷部恭男(早稲田大学)
本とチェック 第17回 友だちになること 金承福(クオン代表)

連載
島に帰る 第9回 旧盆エイサーの祈り 榎本 空(エスノグラファー)
〈小さな物語〉の復興 『フランケンシュタイン』をよむ 第9回 ケアの倫理 小川公代(上智大学)
彼女たちの「戦後」 第2回 土井たか子─憲法の子 山本昭宏(神戸市外国語大学)
ルポ 埼玉クルド人コミュニティ 第3回 解体業に生きる 安田浩一(ノンフィクションライター)
「変わらない」を変える 第17回 女性たちの活動をアーカイブする 三浦まり(上智大学)
片山善博の「日本を診る」(179) 愚かなり「ふるさと納税」 片山善博(大正大学)
気候再生のために 第29回 日本人は原子力と縁を切れるか 江守正多(東京大学)
脳力のレッスン(268) 中国と正対する視座──近代史における教訓 寺島実郎
ドキュメント激動の南北朝鮮 第326回(24・7~8) 編集部
記憶をもった鏡──上吉川祐一『かわと生きる』 戸田昌子(写真史家) 
岩波俳句 選・文 池田澄子(俳人)
アムネスティ通信
読者談話室
編集後記

表紙木版画──久保舎己(犬とふたり 2006、裏表紙 この人を知らない 1989)
キャラクター・扉絵──西村ツチカ
アートディレクション──須田杏菜
本文デザイン──大原由衣+安賀裕子