世界2024年7月号

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世界2024年7月号


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内容説明

※本電子書籍は「固定レイアウト型」で作成されており、タブレットなど大きなディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大すること、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能は使用できません。

目次

【特集1】スポーツと権力
 施設建設をめぐる迷走、名目だけの復興五輪、政治家の差別発言……「東京2020」から3年、この7月からはパリでオリンピック・パラリンピックが開幕する。コロナ禍での延期から無観客開催となった前回大会は、私たちに何を与え、何を残したのか。
 フィールドやスタジアムではマイノリティの選手たちが多く活躍してきたが、差別の言葉と視線も注がれ、それが過熱する場でもあり続けている。
 巨大資本と結びついた「多様性」「中立性」などの言葉に惑わされず、権力との結びつきを解剖する。

【特集2】日本の中の外国人
 日本に暮らす外国人は340万人を超える。働く現場は、小売、流通、介護、製造、建築、農業、漁業など多岐にわたる。だが、その法的地位は常に不安定だ。奴隷労働との批判が強かった「技能実習制度」に代わり、新たに「育成就労制度」が創設されるが、看板と実態には依然へだたりがある。容易に永住権取り消しができる入管法改正案も準備され、安定して日本で暮らす人々も生活をおびやかされている。難民の受け入れは依然として少なく、3回目以上の申請は強制送還が可能に。排外主義からくるヘイトにさらされる人々もいる。
 人は移動し、まざり合い、暮らしてきた。日本人と外国人の線引きは何なのだろう。その政治性を問う。


※本電子書籍は「固定レイアウト型」で作成されており、タブレットなど大きなディスプレイを備えた端末で読むことに適しています。また、文字だけを拡大すること、文字列のハイライト、検索、辞書の参照、引用などの機能は使用できません。



■特集1 スポーツと権力 
「東京五輪のレガシーについて、話を聞かせてもらえないか?」 稲垣康介(朝日新聞)
スポーツとレイシズム 有賀ゆうアニース(大阪公立大学)
オリンピアンの涙 鈴木忠平(ノンフィクション作家)
トランス排除の潮流──脅かされているのは「女子スポーツ」ではない 井谷聡子(関西大学)
スポーツ賭博はいかにしてアメリカ文化の一部となったか エリック・リプトン(ニューヨーク・タイムズ)、聞き手=デイブ・デイヴィーズ、訳=秋元由紀

〈対談〉神宮外苑再開発とスポーツ利権を問う 大方潤一郎(東京大学名誉教授)?佐々木実(ジャーナリスト)
中東を揺るがす「影の戦争」 溝渕正季(明治学院大学)
ライシ政権後のイラン 中西久枝(同志社大学)
ガザ反戦デモ 米学生新聞は大学当局とどう向き合ったか アンナ・ベッツ、ジョナサン・ウルフ(ニューヨーク・タイムズ)、訳=布施由紀子、解説=八田浩輔
帰ってきた「政権交代」と静かなる胎動 大川千寿(神奈川大学)
共同親権導入 改正民法スピード成立の背景 大野暢子(東京新聞)

〈連載〉最後は教育なのか?──第4回 「先生=大変」までの20年──佐久間亜紀さんに聞く 武田砂鉄(ライター)

世界の潮
インド総選挙 「世界最大の民主主義国」のゆくえ 伊藤 融(防衛大学校)
レイシャル・プロファイリングはなぜ繰り返されるのか? 國﨑万智(ハフポスト日本版)
EV競争からDV競争へと向かう自動車産業 鶴原吉郎(技術ジャーナリスト)

■特集2 日本の中の外国人 
ルポ 埼玉クルド人コミュニティ 安田浩一(ノンフィクションライター)
「育成就労制度」でも継承される問題構造 鈴木江理子(国士舘大学)
マルチエスニック・ジャパンの特別永住者 林 晟一(中高一貫校教員)
「難民を受け入れる」ということ──線と面で考える 橋本直子(国際基督教大学)
原っぱのサッカー大会に吹く風は 熊﨑 敬(フリーライター)

スケッチ 何か甘いものを食べたい 千葉雅也(哲学者・作家)
夜店 沖縄戦後史 故郷の喪失と創造 古波藏契(歴史社会学者)

HYBE vs.ミン・ヒジン──アイドル、アート、巨大ビジネス DJ泡沫(KPOPライター)
〈インタビュー〉ジェノサイドの記憶をめぐる旅 ヴェロニク・タジョ(作家)、聞き手・訳=中村隆之(早稲田大学)
上野英信と富山妙子の「出ブラジル記」 岡村 淳(記録映像作家)
ルポ 軍事優先社会──第4回(最終回)佐賀空港にオスプレイはいらない 吉田敏浩(ジャーナリスト)
「拉致問題」風化に抗して 第10回 日本人拉致被害者に与えられた「革命任務」(1) 蓮池 薫(新潟産業大学)
隣のジャーナリズム──書店への旅のかたわらで 三宅玲子(ノンフィクションライター)
〈対談〉日本語、英語、私小説 水村美苗(作家)?吉原真里(ハワイ大学)
ボナエ・リテラエ──私の読書遍歴 第20回(最終回) 『聖なる天蓋』 森本あんり(東京女子大学長)
〈往復エッセイ〉言葉と言葉のかくれんぼ 第4回 済州島と沖縄 斎藤真理子(翻訳家)

本との出会い
読書・観賞日記 読んで、観て、聴いて 中村佑子(作家・映像作家)
本とチェック──第14回 日韓文化交歓 金承福(クオン代表)
分断を深める/乗り越える「ナラティブ」 渡辺祐真(書評家)

連載
〈小さな物語〉の復興 『フランケンシュタイン』をよむ 第6回 インターセクショナリティ 小川公代(上智大学)
島に帰る 第6回 長い聞き取り 榎本 空(エスノグラファー)
「変わらない」を変える 第14回 民主政治の発展にむけ税金はどう使われるべきか 三浦まり(上智大学)
脳力のレッスン(265) 帰国後のケンペル、そしてピョートル大帝とプーチン 寺島実郎
片山善博の「日本を診る」(176) 教員「定額働かせ放題」問題の本質を探る 片山善博(大正大学)
〈ルポ〉軍事優先社会 第4回(最終回) 佐賀空港にオスプレイはいらない 吉田敏浩(ジャーナリスト)
香港からの通信 第23回 香港新国家安全法の 末 黎恩 
気候再生のために 第26回 日本の帰趨を決める一年 高村ゆかり(東京大学)
ドキュメント激動の南北朝鮮 第323回(24・4~5) 編集部
記憶をもった鏡──岡村昭彦『The Memories of Others』 戸田昌子(写真史家)
岩波俳句 選・文 池田澄子(俳人)
アムネスティ通信
読者談話室
編集後記

表紙木版画 久保舎己 (故郷のシルエット 1990、裏表紙 6本の木と人 2011) 
キャラクター・扉絵 西村ツチカ 
アートディレクション 須田杏菜
本文デザイン 大原由衣+安賀裕子

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