世界2024年5月号

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世界2024年5月号


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内容説明

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目次

【特集1】地方対中央
 分権型社会という理念を掲げて約四半世紀が過ぎた。しかし、いまや国は地方自治を軽視し、国と自治体の関係は対等とはほど遠い。そのいびつさが最も端的に表れているのが、沖縄に対する構造的差別だ。
 「地方」は集権化した「中央」よりも劣っている? いや、「不便」「何もない」とみなされてきた地域には多様な魅力と文化が根づいている。その事実に、多くの人たちは気づき始めている。
 ゆがんだ対立構造を乗り越えて、ゆたかな対話と交流を生み出すことはできるのか。新しい自治のかたちを構想するために現場から問いかける。

【特集2】暴力の起源──植民地主義を問う
 イスラエルによるガザ地区への攻撃では街は見境なく破壊され、死者は3万人を超す。イスラエル高官はそのパレスチナの人々を「人間動物」と呼んだ。他者を「野蛮」なものと断じる植民地主義のロジック──。
 今もそのロジックに翻弄され、暴力にさらされている地域は、アフリカにも、アジアにも、ラテンアメリカにもある。なぜ国際社会は暴力を止めえないのか、収奪をうけた人々は、植民地支配といかに格闘しているのか。
 吹き荒れる暴力の淵源にある植民地主義を、足もとから見つめる。

■特集1 地方対中央
〈対談〉それでも沖縄は声をあげ続ける 玉城デニー(沖縄県知事)×片山善博(大正大学特任教授)
田舎党宣言 藤原辰史(京都大学)
〈対談〉人口減少時代の課題がひらく未来 田中輝美(島根県立大学)×永岡里菜(株式会社おてつたび)
分権型社会への遠い途 金井利之(東京大学)
ふるさと納税という幻想 土山希美枝(法政大学)
生きやすさと生きづらさのあいだ──「自殺希少地域」をめぐる旅 森川すいめい(精神科医)
〈対談〉事件に「飢え」た公安警察と司法の歪み 高田 剛(弁護士)×青木 理(ジャーナリスト)
さらば! 異次元の金融政策──植田日銀の「解体作業」を追う 西野智彦(ジャーナリスト)
「ALS嘱託殺人」と隠蔽されたもうひとつの事件 前編 渡邉 琢(介助士)
女性の過労死はなぜ見えないのか 竹信三恵子(ジャーナリスト)
〈対談〉最後は教育なのか? 第3回 西倉実季さんに聞く 武田砂鉄(ライター)

世界の潮
プーチン再選と個人支配のゆくえ 大串 敦(慶應義塾大学)
NTT法改正の論点──通信のユニバーサルサービスを中心に 林 秀弥(名古屋大学)

■特集2 暴力の起源──植民地主義を問う
ガザ攻撃はシオニズムに一貫した民族浄化政策である 早尾貴紀(東京経済大学)
〈詩〉現在のためのプロローグ──ガザ ディオンヌ・ブランド(詩人)、訳・解説=ハーン小路恭子
西アフリカのクーデターは約一世紀続くフランス支配の終わりを告げている アシル・ンベンベ(思想家)、訳・解説=中村隆之
沖縄から先住民族の権利を求めて 親川志奈子(沖縄大学非常勤講師)
反戦・非暴力思想と脱植民地化の失敗 阿部小涼(琉球大学)

スケッチ 「喪」 三宅 唱(映画監督)
夜店 就職氷河期世代の現在とこれから 近藤絢子(東京大学)

ロスジェネとは誰のことか 浅野智彦(東京学芸大学)
〈対談〉「負の歴史」をなぜ教えるか──横浜での朝鮮人・中国人虐殺事件から考える 後藤 周(横浜市立中学校元教員)×平井美津子(吹田市立中学校教員)、聞き手=木村元彦(ジャーナリスト)
〈ルポ〉ストーカー加害者治療は可能か 後編 内澤旬子(文筆家)
ストーカー行為規制を巡る日本と台湾の対話 深町晋也(立教大学)
能登半島地震 「人命救助の遅れ」は本当に「仕方なかった」のか? 奥山俊宏(ジャーナリスト)
いまさら「アメリカの民主主義」を? 「変わらないアメリカ」を? 石神圭子(福岡女子大学)
「拉致問題」風化に抗して 第9回 日本人被害者への思想教育(その2) 蓮池 薫(新潟産業大学)
〈往復エッセイ〉言葉と言葉のかくれんぼ 第2回 金星旅館のころ 斎藤真理子(翻訳家)

本との出会い
読書・観賞日記 読んで、観て、聴いて 新城和博(編集者)
本とチェック 第12回 朴景利先生の『土地』 金承福(クオン代表)

隣のジャーナリズム 二五〇歳宇宙の旅──不老長寿とエイジズム 長田杏奈(ライター)

連載
ボナエ・リテラエ──私の読書遍歴 第18回 『光の子と闇の子』 森本あんり(東京女子大学長)
「変わらない」を変える 第12回 忘れられた国会改革 ジェンダーへの配慮が急務 三浦まり(上智大学)
脳力のレッスン(263) 一九九四シンドロームを超えて 寺島実郎
島に帰る 第4回 伊江島写真小史 榎本 空(エスノグラファー)
ルポ 軍事優先社会 第2回 自衛隊に自治体が若者名簿を提供 吉田敏浩(ジャーナリスト)
滅びゆく日本、再生への道 第7回 教育・子育て・災害対応 星 浩(ジャーナリスト)
香港からの通信 第21回 ガラスのようなチャイナ リュウ・イケン
気候再生のために 第24回 複合的な環境危機にいかに対応するか 高村ゆかり(東京大学)
ドキュメント激動の南北朝鮮 第321回(24・2~3) 編集部
記憶をもった鏡──沼田 学『築地魚河岸ブルース』 戸田昌子(写真史家)
岩波俳句 選・文 池田澄子(俳人)
アムネスティ通信

読者談話室
編集後記

表紙木版画 久保舎己(麦 1981、裏表紙 ふみにじられし顔 1980)
キャラクター・扉絵 西村ツチカ
アートディレクション 須田杏菜
本文デザイン 大原由衣+安賀裕子

 

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