内容説明
「好きな人のためなら死ぬわ――」
「おねがいだから、あたしたちをそっとしておいて!」
真秀の願いむなしく、運命の輪は残酷にも回りはじめて――
氷室冴子が全身全霊をこめて綴った、伝説の古代転生ファンタジー、怒濤の第2巻!
初潮を迎えた真秀は「月の忌屋」に籠められた。十日後、ようやく外界へ戻った真秀は、真若王や息長の男たちの邪な視線に晒されることになる。絶体絶命の真秀の危機を救おうとする真澄に、おそるべき霊力が目覚め――。必死に逃れようとする真秀の前に現れたのは、ずっと焦がれていた同族「佐保」の若き王子・佐保彦だった。しかし佐保彦は真秀が御影の子と知るや「滅びの子」と罵り鞭打って…。次々と襲う、苛酷すぎる運命に真秀はどう立ち向かうのか?
目次
第三章 滅びの子
第四章 佐保彦の王子
あとがき 氷室冴子
冴子さんの電話 夢枕獏
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぐうぐう
31
女性であることで囚われなければならないこと。女性であることで虐げられてしまうこと。女性であることで成し遂げられないこと。氷室冴子は、そのような女性ゆえの呪いを書き、だからこその解放への戦いを書こうとする。「真澄、あたしたち、どうして生まれてきたの? 自分の身ひとつ、自由にできないのに、人にいいように扱われるだけの身なのに、どうして……」滅びの子と蔑まれる主人公の抗いは、ファンタジーの世界だけではなく、まさしく現実世界の抗いとしてある。にしても、夢枕獏の解説は泣けるね。2025/03/05
よっち
20
初潮を迎え「月の忌屋」に籠められた真秀。十日後、ようやく外界へ戻った真秀は、真若王や息長の男たちの邪な視線に晒される第2弾。丹波への旅をきっかけに真秀の美しさに気づき、自分のものにしようとする真若王。自分のいない隙に真澄にアプローチしていた女、好きな人がいると嘘をつき真若王の求愛から逃れようとする真秀を襲おうとする男たち、救ってくれた若き王子・佐保彦の豹変。兄妹の結びつきの強さが浮き彫りになる一方で、激変する男たちに困惑する真秀は、父が誰だったのか明らかになりましたけど、彼女を巡る立ち位置が難しいですね。2025/02/18
歩月るな
16
怒涛と言うか、予想外と言うか、悲しくも悔しく、おぞましくも美しい、ここまでがプロローグとも言うべき第2巻、役者は揃った、のだろうか?それは判らない。当時の読者のビビッドな感性も先生の洒脱な受け答えも尤もではあるが、私が一番悲しかったのは鮒彦の件である。真若と一緒になって真秀をいじめてた小憎らしい相手、とは言えまあ血縁の無い点では幼馴染みたいなもんだろうと思ってたし、理由はあからさまでも、良くしてくれた事実も、真秀だってちゃんとお礼は言ってたし、本当に裏切られた。痣が遺るほど強く揉むって何。容赦ない描写よ。2025/03/28
igaiga
10
2巻までは読んでたんだ。当時。そうだそうだ。彼が父親だったんだ。すっかり記憶の端にもなかった(笑) 当時はなんか真秀と真澄の関係がイヤで先に進まなかったんだけれど、わたしも年を取ったせいかあまり気にならず3巻が楽しみ。2025/08/13
はるぴ@ありがたきハピネス
7
発売日に買いに行っちゃったよ……。佐保彦登場。生意気でかわいくてこういう子好きだよ、わたしは。あとがき見たら、あまり人気ないようで(真若の人気があるようで)、がんばれ佐保彦!これからよこれから!とエールを心の中で送った。真澄も能力に目覚めて、ファンタジー感が高まる!これから垂仁天皇も出て来るのかな。ワクワク。それにしても、表紙のかんじ……、もっと大人や男性にも買いやすいバージョンもあるといいのになあ。ハードカバーでもいいから……(十二国記とか空色勾玉みたいに……)2025/03/11
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