内容説明
佐保彦の腹心・燿目が、真澄の霊力をその身に受け、無惨に焼け死んだ。真秀は燿目を死なせたのは自分だと我が身を責めて苦しんでいた。そんな彼女に近づいてきたのは、新たな佐保彦の伴人・月眉児。彼女のたおやかな容姿と優しい言葉に真秀は慰められ、その幻影を生む力が燿目と再会させてくれたことで、月眉児に心を許そうとする。だが、それは月眉児の企みだった。策謀を見破った波美王の手で、真秀はその場から助け出される。だが、波美王は突然真秀を息長から連れ去ってしまう…。何者かが、波美の一族に真秀の誘拐を依頼していたのだ。真秀が誘拐されたことを知った美知主らは、水面下で新たな駆け引きを始める。一方、淡海に留まる佐保彦のもとには、真秀を誘拐した犯人からある伝言が届けられ…。あとがきイラスト&メッセージ、飯田晴子。解説、青山美智子。古代転生ファンタジー第5巻!
目次
第七章 まほろばの娘
あとがき 氷室冴子
あとがきイラスト&メッセージ 飯田晴子
解説 青山美智子
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
28
真澄の霊力をその身に受け無惨に焼け死んだ佐保彦の腹心・燿目。彼を死なせたのは自分だと我が身を責めて苦しむ真秀に、新たな佐保彦の伴人・月眉児が接近する第5弾。彼女のたおやかな容姿と優しい言葉に慰められ、幻影を生む力が燿目と再会させてくれたことで、月眉児に心を許そうとする真秀。しかしそれが月眉児の策謀であることを見破った波美王に真秀は助け出されるものの、突然息長から連れ去られる展開で、水面下で新たな駆け引きが繰り広げられる中、少しずつ真秀の意識にも変化が見られ始めて、ここからどう物語が動くのか続刊に期待です。2025/05/19
ぐうぐう
19
まぼろしとはやっかいなものだ。それがリアルであれば、なおのこと。「でも、これは幻影だ。幻影にすぎないんだ。そう思いながら。それでも、たあいなく両目に涙が溢れてくる」月眉児が見せる幻影を信じてしまいそうになるのは、真秀の弱さゆえなのか。「おまえはこうあってほしい夢世と、目の前の現つを見誤っている。見わける能力がないのではなくて、夢をみたがっている。現つは今のところ、おまえにあまり優しくないからな」そうなのだ。真秀の弱さではなく、現実世界が真秀に厳し過ぎるゆえなのだ。(つづく)2025/06/04
mikky
7
昨日発売日だったから、娘のそろばんとピアノの合間にダッシュで買いに行って、今朝朝ごはんとともに読み終えた。 本当に毎月発売日が待ち遠しい。めちゃくちゃ面白い。復刊してくれた集英社オレンジ文庫に感謝しかねえす。ありがとうございます。2025/05/20
歩月るな
5
恋をすると人は欲ばりになる――小学生でも頑張って読んで感想送って来る、少なからず読者のみならず作家を、そして時代を作った人なのだろうと思わせる何かがある。『海がきこえる』の試写会なんかがあった年、先生のワープロは壊れた。これでどれだけ時間を失ってしまったのか、などと儚んでしまうのも今だからか。さて、主人公不在の状況整理のような巻だけど、ここで文章の話をすると、だからこそ今まであまり考えが読み取れなかった人々の胸中をうかがえる、地の文で内的焦点化した表現が多用されるのが、なかなか難しい表現。公式学パロやべえ2025/06/30
栗山いなり
5
真秀の身に起こる波乱を描いた古代和風ファンタジーシリーズ第5巻。相変わらずイマイチ物語の情景が上手く浮かんでこない作品だけど色々とやばい事になってそうなのは伝わってきた。当時の人々、特に女子はこういうの読んでたんかね?とも思った2025/06/14