内容説明
中毒し佐保に留まっていた大王は回復に向かっていた。だが、大王とともに倒れた王子たちそして彼らを見舞う名目で訪れた豪族たちは佐保に留まったまま。何より、真秀と真澄――滅びの子の訪れに、佐保の人々は慄いて……。その頃、佐保から姿を消した佐保姫は、真秀の力で素性を偽り、自らの意志で大王不在の王宮に残っていた。真秀と瓜二つの佐保姫に出会い、驚愕する歌凝姫、そして須久泥王。王宮で、これまで知ることのなかった人の悪意に触れた佐保姫は戸惑い、それでも真秀を慕う真心を失わないのだが……。ついに佐保の長老・穂波は、佐保一族が生きのびるため、「滅びの子」たる真秀と真澄を殺そうと決意する。今や誰も叶わぬ強大な霊力を顕した真秀を倒すためには、佐保の霊威そのものである「那智」の力を使うしかない。そして、「那智」の憑依坐として選ばれたのは、誰よりも佐保彦を、そして佐保一族を愛する男・速穂児だった。真秀と速穂児の死闘の火蓋が切って落とされる。人の力を超越した凄まじい霊威がぶつかり合い、誰も二人を止めることはできない。だがその時、御影の口から思いがけない真実が明かされて――!?
目次
最終章 暁に甦る(承前)
あとがき 氷室冴子
あとがきイラスト&メッセージ 飯田晴子
解説 須賀しのぶ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
よっち
21
中毒で佐保に留まる大王は回復に向かったものの、王子や豪族たちは佐保に留まったままで、滅びの子・真秀と真澄の訪れに佐保の人々が慄く第10弾。大王不在の王宮に残った佐保姫が触れた悪意。一方、佐保の長老・穂波は速穂児を使って真秀と真澄を殺そうと決意する展開で、一族の集団心理に陥る危うさや脆さが浮き彫りになる一方、信念がぶつかり合う真秀と速穂児の死闘もまた対照的でしたが、明かされた真実は物語を根本から揺るがしかねないもので、真秀たちに感じた安堵と希望とは裏腹に、佐保一族の選択には何とも言えない気持ちになりました。2025/10/17
ぐうぐう
19
怒涛の展開が繰り広げられる第10巻。まさしく読む者を呑む勢いとエネルギーを感じる。それはつまり物語の力なのだが、氷室冴子が込めた主題がキャラクターの個性となり、言動となって、読者を圧倒する、そういう力だ。「真秀、あなたはまるで、衰えた炎をかきたてる灯持ちの巫女のように、ふいに現れるのね。萎えそうになる、いのちの炎をかきたてるために……あなたは恐ろしい娘だわ(略)」逆境と言ってしまえばそれまでだが、そのような反動の作用は、実は両極という構造そのものが間違っていて、(つづく)2025/11/05
栗山いなり
6
真秀の身に起こる波乱を描いた古代和風ファンタジーシリーズ第10巻。いやー今までで一番激しい巻だったというのが正直な感想。今までの展開はこの巻のための前振りだったんかな?とすら思えた2025/11/10
KT1123
3
いや~、すごかった。という読後感。真秀と速穂児のバトルシーン、御影を見舞う日子坐と美知主。本当の霊力の持ち主と滅びの子、御影と大闇見戸女の死、速穂児と佐保彦のバトルシーン、佐保姫の純粋さと嘆き…、なにか、伊久米の大王がノホホンとして見える。次巻で未完の最終巻ということですが、なんかちょっと怖いような?2025/11/16
ランディ
0
手を出すつもりはなかったのだが、須賀しのぶに飢えるあまり買ってしまった。作者のやる気に満ちた後書きが切ない。いつか続きを読めると信じていたのに訃報ですべてが無になった絶望感。2025/12/07




