内容説明
真秀がみた神夢――。
それは血塗られた過去であり、母・御影の優しく悲しい初夏の記憶……
愛と憎しみ渦巻く古代ファンタジー、ますます加速する第3巻!
大王の使者として息長を訪れた佐保彦から「滅びの子」と詰られ昏倒した真秀は、若き日の日子坐がなした恐るべき陰謀、そして日子坐と母・御影の出会いを神夢に見る。目覚めた真秀の前に現れたのは、佐保彦の伴人・速穂児だった。速穂児によって佐保の人々が自分のことも御影のことも、兄・真澄のことも疎んじていると思い知らされた真秀は、衝動的に佐保彦のもとへ走るが、かえって激しい憎悪をぶつけられる。打ちひしがれ、我を失った真秀を抱き上げたのは、美知主の弟であり、息長の首長である真若王だった。だがそれは、真秀を救うためではなく……!?
果てしない憎しみの連鎖に囚われ、互いを憎まざるを得ない真秀と佐保彦。
なのにどうして、あたしは彼を憎みきれない!?
真秀の心は千々に乱れて――?
第五章 銀の鈴
第六章 禍つ恋
あとがき 氷室冴子
解説 町田そのこ
目次
第五章 銀の鈴
第六章 禍つ恋
あとがき 氷室冴子
解説 町田そのこ
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
ぐうぐう
25
神夢とは、なんて残酷な現象なのだろう。自分が生まれる前の過去に立ち会うことを可能とする神夢は、いわゆる伝聞として知る過去ではなく、ひとつの体験としての臨場感がそこにはある。なのに、「神夢をみるのは、つらいことだね……流れる時間の川岸で、佇っているだけだ。川の流れを堰くことも、変えることもできない……つらい……」のだから、残酷さは際立つ。人は幻影かもしれぬ現象に惑わされる。けれど、そうだとすれば、こう言い換えることもできるのではないか。運命と呼ばれることもまた、幻影かもしれぬ、と。2025/04/09
よっち
23
大王の使者として息長を訪れた佐保彦から「滅びの子」と詰られ昏倒した真秀。血塗られた過去であり、母・御影の優しく悲しい初夏の記憶を神夢に見る第3弾。若き日の日子坐がなした恐るべき陰謀、日子坐と母・御影の出会い。そして目覚めた彼女の前に現れた保彦の伴人・速穂児によって、佐保の人々が自分だけでなく御影や兄・真澄も疎んじていると思い知らされる真秀。佐保彦には激しい憎悪を浴びせられ、助けた真若王もまた優しさからではなく、真澄に救われたものの佐保と憎しみ合う状況は何とも厳しいですね。真秀の持つ鈴も気になるところです。2025/03/17
歩月るな
9
真若さん、恥をかかされたってそんな鬼畜な所業を…許してやる、大事。真澄に憎しみを教えてはいけない。憎みたくても憎み返せない。それでよいはずなのに。些か穏当を欠く表現であるが、戦で死ぬのはいつも男で、女は生き残る。この論理展開の前に、そうして生き残った女たちは、敵の男のものにならなければ、生き残れない、そういう戦の世界が土台として描かれている。戦を生きる男は、憧れであり畏怖の対象でもありの父親が抱いた女を、自分のモノにしたくなるものだろうか。いやなに、失礼な意味とかではなく、そういうものなのかもしれない。2025/04/10
栗山いなり
7
真秀の身に起こる波乱を描いた古代和風ファンタジーシリーズ第3巻。今回は色々起きた結果真秀が絶望と憎しみに染まっていく物語だった気がする。にしてもこのシリーズ未完なの!?それはちょっと驚いた2025/04/13
しのぶ
3
いまだに読んだ記憶は甦らないのだけど、あの頃にはなかったはずの、地名や氏名によって呼び起こされる知識が今だからこそあるのはわかる。そして今のところお子ちゃますぎるからなのかもしれないけど、若者たちのだれひとりに対してもイマ3歩思い入れをもてない。むしろ気になるのは美知主。(まあ『花咲ける青少年』でも「ヴォルコシガン・サーガ」でも親世代の物語に惹かれがちなところがあったりするから、そういう癖だったりするのかも)2025/06/02
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