内容説明
「滅びの子」である真秀を憎んでいたはずの佐保彦。だが彼は、真秀の命を救うため、淡海を後にしようと決断していた。同じ頃、美知主の捜索により、真秀をさらわせた人物が判明。真秀は無事に救出され、美しい歌凝姫への妄執から、真秀の誘拐を企てた穴太の邑長・忍人は惨殺された。その頃、佐保から野洲へ、早馬が訪れていた。現われたのは、佐保の長老・穂波。霊力を失っていたはずの大闇見戸売が未来を予言し、その事実を確かめるために淡海へ来たという。さらに、佐保彦の未来について、本人にも伏せられていたある「占」があったという事実を穂波から告げられ、兄夏や速穂児らは色めき立つが……。佐保彦が間もなく淡海を後にすると知り、自分を救うため決断してくれた彼に、真秀は初めて自分の想いを告げる。しかしそのとき、ともに苦境を乗り越えた小由流が、愛する兄・忍人をそそのかした歌凝姫に復讐しようとする姿を目にしてしまう。真秀は必死に小由流を止めようとするが――!? 衝撃の展開に息つく間もない……! 古代転生ファンタジーはさらなる高みへ――!
目次
第七章 まほろばの娘(承前)
あとがき 氷室冴子
あとがきイラスト&メッセージ 飯田晴子
解説 平戸 萌
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
ぐうぐう
21
「どうして失われた日々は、こんなにも鮮やかで美しいのだろう」それは現実の過酷さと、そして明けぬ闇に包まれた未来がそう思わせるのだ。なぜに氷室冴子は、ここまでの非情さを持って、幼さすら残す若者達に試練を与えるのだろう。それは女性であるというだけで弱いと決めつけ、容赦なく見下そうとする世間に対する強い抵抗に他ならない。「あの娘は、真澄の霊力にすがらず、みずからの知恵と力だけで、たくさんの死と血を浴び、切り抜けてきたようです。あの娘は強くなって戻ってきてしまった……」(つづく)2025/08/06
よっち
20
憎んでいたはずの真秀の命を救うため、淡海を後にしようと決断する佐保彦。同じ頃、美知主の捜索により、真秀をさらわせた人物が判明する第7弾。真秀は無事に救出され、美しい歌凝姫への妄執から真秀の誘拐を企て惨殺された穴太の邑長・忍人。佐保から野洲へ長老・穂波が現れて告げられたある占。自分を救うため決断してくれた佐保彦に、初めて自分の想いを告げる真秀。せっかく仲良くなったのに、兄のためそそのかした歌凝姫に復讐しようとする小由流の結末は切なかったですけど、様々な思いや夢が描かれていく激動の展開はなかなか過酷ですね…。2025/08/06
歩月るな
12
もう11巻も出ていると言うのに、久しぶりになってしまったのは、途中で心理的に入りすぎて精神に来てしまい……作品的に言うなら「共鳴」が相応しいのか、氷室先生のあとがきを読んで「痛みを伴う」小説として、心底に触れてくる作品として、相応に重い読書体験となった。多分お互い永遠の別れ、それを意識したあのシーンから、悲鳴で一転、迷わずに戻って来てくれた、あれで情緒がやられた直後の、大立ち回り、一冊に詰め込まれる内容ではない。2025/11/25
栗山いなり
8
真秀の身に起こる波乱を描いた和風ファンタジーシリーズ第7巻。ついに真秀が一線を超えてしまったか…。つーかこの2巻で真秀が一気に色んな意味で強さを得たなって印象。しかし相変わらずの読み心地だったな2025/08/09
しのぶ
5
著者のあとがきにもあったけど、ほんとに(物語世界の)時間が進まなくって!もどかしいのと同時に焦燥感にも駆り立てられてしまう。もうどうにもならないことはわかっているのに、この作品に大団円を迎えさせるだけの時間が著者に与えられなかったことが悔しくってならない。2025/09/23




