内容説明
暗躍する世直し五人衆の一人、大越貞助は兄の仇討ちのため、十年も江戸をさすらう小藩の侍であった。ある時、三国屋の金の運搬を急襲した大越は対峙した用心棒の水谷弥五郎こそ自分が追い求めた仇であると確信する。長き年月が経ち、もはや帰る場所もない大越が再び弥五郎と斬り結んだとき、すでにそこには悲劇の結末しか残されていなかったのかもしれなかった……どうしてか三国屋の関係先ばかりを襲う世直し衆に哀切漂う死がその後も続いた――痛快娯楽大作シリーズ、満を持しての2巻同時発売!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
yamatoshiuruhashi
47
シリーズ27巻。今回も3短編集。長雨で米が取れず百姓も難儀。人々の不幸を救いたいと志を持ってもやることが強盗であれば申し開きはできぬであろう。いつもの馬鹿馬鹿しさが全面には出るが、なかなかシリアスな一冊。2023/10/01
はにこ
43
武家の貧困と、それでも見栄を張らないといけないのが窮屈だね。ただどんちゃん騒ぎしてお金をばら撒いているだけの卯之吉に見えるけど、濱島のように見方を変えればあれはあれで救済の一つかもしれない。世直し衆も人数を減らしたけど、まだ解決には至らず。どう着地するのかが楽しみ。2023/09/10
ルチル
15
武士も町人も農民もみんなお金がなくて苦しい。この巻も珍しく苦しい展開。さすがの卯之吉にも根本的解決策はなく……巻を追うごとに、大富豪の馬鹿馬鹿しさが鳴りを潜めつつある。心配。その中では、できる大年増・おカネさんはいいキャラ。★22023/09/22
ミド
7
敵討ちという制度がこんなに理不尽なものだったなんて。「兄が斬られたのは俺のせいではない」という叫びには同意するけれど、だからといって無関係な町民を手に掛けていい理由にはならない。「それが武士の道理だ」という水谷さんはかっこいい。ドラマ化に合わせての話なのだろうけれど、美鈴より菊野推しだったドラマの影響を受けている感じなのが残念。菊野には源之丞が合うと思うのだけどなあ。2024/08/31
とく たま
7
凶作の続く中「世直し集」が強盗を繰返す。その中に卯之吉の遊び仲間の大名家次男の友も紛れていた!哀切漂うラストシーンに、涙する。それにしても卯之吉の変らぬ怠惰とマイペースがだい好きだわ (*^^*)2023/07/26
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