内容説明
ローレンスたちは、オスマン帝国で宮廷にて歓待を受け厚遇されていたが、そこは豪奢な牢獄ともいえる場所だった。竜の卵も英国が支払った高額な代金もすべてうやむやにされたまま長らく幽閉されていたローレンスたちだったが、ある晩、業を煮やして卵が隠されているハレムへの侵入と強行奪取を敢行する。卵一つと仲間一人を失いながらもなんとか卵二つを奪い取り、オスマン帝国の国境を越えたローレンスたちだったが、プロイセン王国に入国したところで、英国が交わした共闘の約束を果たすべく、ナポレオン軍との戦いに参加することになる。その戦いは劣勢を極め、プロイセン軍の敗戦が続く厳しい戦況のなか、いまやヨーロッパ全土を手中におさめんと猛進するナポレオンを担い手としてその背に乗せたセレスチャル種の白い竜リエンに遭遇する。リエンは亡きヨンシン皇子の恨みを晴らすべく、テメレアへの復讐心に燃えて仏軍の空軍を指揮していた。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
もち
9
「どのみち、仕事にとりかかる時間だ」◆卵を強奪し、帝国から逃げ出したテメレア一行。逃亡先で出くわしたプロイセン軍と共に、無敗のナポレオンと交戦することに。軍神の傍らには、もう一体の伝説級の竜。苛烈な総力戦を経て、望みを繋ぐ撤退戦に身を投じていく。■面白すぎる。ヨーロッパ中の激戦地を彷徨う、過酷だが胸踊るプロット。もう一人の主人公のような軍神ペア、待望の竜を手に入れた彼、策が噛み合い逆転と感動を呼ぶ最終戦。踏破できる地平は広がり、そして無慈悲に歴史が襲う。それですら、冒険心は殺せない。2023/12/05
BECHA☆
6
オスマン帝国に到着した一行は思わぬ対応を受ける。そこには既にリエンがいた。 ナポレオン軍と戦う欧州諸国の立位置に翻弄されるテメレアたち。 ハラハラが一杯で、続きをすぐに読みたい!!2022/04/30
つくし
3
後半戦は熾烈でした。ドラゴンがいると戦いはこうも変化するのか。今まで読み落としていたのか、ただドラゴン乗っているのではなくて、クルーとして乗り込む人間と、空飛ぶ戦艦のようなドラゴンの図を生々しく感じる展開が多かった。2022/11/19