内容説明
仏軍がロンドンに迫り、国王一家はエジンバラ城に避難。英国軍はスコットランドに本営を置き、反撃の機会を狙った。そんな折、サルカイと野生ドラゴンの一団がやってきて、報奨金目当てに敵を狩りに出かけたイスキエルカが乗っ取られたと報告する。サルカイとローレンスはフランス占領下のロンドンに向かい、捕虜となったキャプテン、グランビーを奪還するため奮闘する。一方、フランス陸軍はいよいよ英国南部に上陸、ローレンスらも参戦し大量の陸海軍を率いたナポレオンとの戦いが幕開ける。この戦いでは、テメレアの友だちで、数学の天才だが戦闘を嫌う雌ドラゴン、ペルシティアの考え出した戦法が次々に成功し、ペナヴァンの繁殖場に追いやられていた落ちこぼれドラゴンたちが大活躍。海上にはネルソン提督率いる英国艦隊が現れ仏艦隊を猛攻するも、純白の竜、リエンが、テメレアの能力をはるかに上回る「神の風」の咆哮で英国艦隊に襲いかかる。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
もち
9
「それを選びとれなかったことを、わたしは恥じている」◆ロンドンが占領された。敵の補給線を断つため、ローレンスは遊撃戦に駆り出される。身も蓋もない、殺戮。限界を迎えたそのとき、ついに反攻作戦が立案。あえて脆弱な布陣を敷き、ナポレオンの生け捕りを目指す。■ここまでが第一部、といったところか。簡単に薦められる巻数でないことは承知しているが、まるまるセットで渡したくなる逸品。栞を挟ませない展開、息遣いまで感じる人物描写、背後に蠢く歴史の業。間口は広いのに奥行きは計り知れない、最高の幻想戦記。2023/12/05
BECHA☆
9
イギリス上陸を果たしたナポレオンとの闘いの巻。テメレアは八面六臂の活躍をする一方で、自分のためにローレンスが、クルーたちがどれだけの犠牲を払ったかに気付く。 ナポレオンが、英国海軍のお偉いさんと比べて公平無私な人のように描かれているのが面白い。イスキエルカの暴走が落ち着くのはいつ頃なんでしょうねぇ。2022/09/25