内容説明
霊南坂の名家に生を受けた敷島四兄弟は、異なる道を歩んだ。奉天総領事館に勤務する外交官、太郎。満州で馬賊を率いる、次郎。関東軍の策謀に関わる陸軍少尉、三郎。左翼思想に共鳴する早大生、四郎。昭和三年六月、奉天近郊で張作霖が謀殺された。そして時代の激流は彼ら四人を呑みこんでゆく。「王道楽土」満州国を主舞台に、日本と戦争を描き切る、著者畢生(ひっせい)の大河オデッセイ。(解説・馳星周)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ドワンゴの提供する「読書メーター」によるものです。
再び読書
54
壮大な物語の序章。敷島四兄弟を軸に満州が動き出す。それぞれ個性を持った兄弟が印象的だ。色々な人間が蠢き、毒を含んで密かに潜行していく、何とも言えない不気味さが読む手を進めさせる。次に進みましょう!2018/07/12
カムイ
45
満州事変から始まり日本の行く末を敷島家の四兄弟からの目線で激動の時代を活写する、船戸さんの遺作で執筆中に癌に犯されながらも全九巻を書き切った作品である、敷島家の次男次郎の馬賊としての波乱万丈なのが「風の払暁」の副題で現している、江漠とした満州が目の前に現れ物語舞台に放り込まれてしまった、史実を織り交ぜながらその当時の陸軍の動向や民間、経済界が満州に群がり各々の思惑が絡まり、支那人、朝鮮人の塗炭の苦しみを考えると再度あの戦争を考えたい、ただ、船戸さん作品は普通の歴史小説では終らないだろうと思っている。2019/12/24
k5
41
奉天領事館に勤務する太郎、馬賊大陸浪人となった次郎、関東軍の軍人三郎、そして進歩的な演劇集団に属する早稲田の学生四郎の敷島四兄弟の視点から、満州事変の前後を描く一巻。やはり馬賊の次郎の物語が今のところ一番熱いです。日本はどうして狂ってしまったのか、といえば司馬遼太郎を想像しますが、船戸与一の描く昭和はどうなりますか。現時点では、不況ゆえの満蒙領有論に染まっていく感じですね。2026/05/21
ヨーイチ
36
堂々たる大河小説。この作者は初読。「演義」と名付けている所が落とし穴と言うか魅力かも知れない。四人の兄弟が上から外交官、馬賊、軍人、左翼学生という設定であまりの都合よさに苦笑するも、「丸ごと満州国を書くぞ」ってなメッセージと解するべきであろう。分量も大体等分で色々な階層から見た満州が魅力的である。それにしても清帝国が漢民族にとっては征服王朝であった事を改めて思い知らされる。漢字を使っているが「漢文」とは全然別の世界なのだなぁ、と分かる。単眼では目が眩む。2016/01/30
マムみかん(*ほぼ一言感想*)
32
単行本で、この1巻のみ既読。 なかなか続きを手に取れないうちに、文庫化がスタート…改めて、ありがたく読ませていただきます。 満州国の誕生から終焉までを、敷島4兄弟の4つの視点(官僚、馬賊、軍人、学生)から描く大河小説。 大陸や満州国と言えばやはり馬賊が思い浮かぶので、次郎兄さんのパートが面白くて好きだな。 そして、4兄弟を操るスパイ・マスターみたいな関東軍特務機関の間垣徳蔵氏が、不気味に素敵…(笑)。 この辺の歴史は意識して学ばねばと思っているのですが、演義仕立ては読みやすくて良いです☆2015/08/10




