新潮文庫<br> 南冥の雫―満州国演義八―(新潮文庫)

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紙書籍版価格 ¥990
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新潮文庫
南冥の雫―満州国演義八―(新潮文庫)

  • 著者名:船戸与一【著】
  • 価格 ¥990(本体¥900)
  • 新潮社(2021/10発売)
  • ポイント 9pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784101343273

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内容説明

本土初空襲とミッドウェー大敗。それは帝国の翳り。四郎は比島(フィリピン)で抗日ゲリラの憤怒を体感した。少佐 となった三郎は変転する戦を見つめ、太郎は自らの罪過が招いた惨劇に震えた。そして敷島次郎は劣弱な囚人部隊を率い、インパール作戦に加わる運命にあっ た。若き日駆け抜けた満州、彼(か)の地より遠く離れた緑の地獄で男は何を想うのか。食い破られてゆく絶対国防圏。白骨連なる第八巻。(解説・佐々木譲)

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

壮の字

67
「敷島三郎はこれには言葉を返さず燐寸を擦って銜えている煙草に火を点けた」多くを語らない主人公の敷島四兄弟に対面するひとクセもふたクセもある演者たち。その中でもいちばん毒気の強い奉天特務機関・間垣徳蔵中佐は全編とおして敷島家に絡みついてくる。敵なのか味方なのか、帝国の行く末と同じくらい気になるところ。さて戦況は、日米開戦当初の破竹の勢いに陰りが見えてきている。明治維新から始まる若き近代国家日本は、未だ敗戦を学んだ経験はない。「もう行き着くところまで行くしかないだろう」(香月信彦)さて、それはどこだ。2018/03/24

ヨーイチ

43
正直単調で投げ出したくなる時もあったが、あと一冊まで漕ぎ着けた。この巻では比較的小説らしいアクションがあるが、大河小説の終盤で狂言回しの兄弟達にもそれぞれの結末が近くなっているって事なのだろう。終盤のインパール作戦が面白い、というか酷いし救いがない。成吉思汗作戦を大真面目で陸大出のエリート達が立案、実行したかのと思うと集団的に発狂していたとしか思えな。余りの無茶さに忠義一徹の日本の兵隊も命令に背いて退却したという。牟田口とか辻の様な人達を選抜し昇進させたのも官僚制度の一面で似た人達は現在でもいるのだろう。2017/02/17

kinnov

25
歴史を弄ばす、満州国の興亡を通して昭和前半の日本を描いてきた作者の目は、常に冷徹で客観的だった。しかし、南洋やインパールでの皇軍将校や施政者達の無能、無脳、愚劣、卑劣な行いが延々と重なるこの巻では、東条、牟田口その他すべての日本人の卑劣な罪が、強く告発されていく。この時代の特別な人間が愚かだったのではなく、会社や組織の中で今も常に存在している変わらぬ現実を考えさせられる。無頼を気取り無聊の徒であろうとした浪漫も、活劇の結果ではなく、無策の犠牲として虫葬され無数の白骨の一つにしかならない哀しみが心に痛い。2017/02/08

ロデタ

21
狂気のインパール作戦。政府・軍上層部の無能ぶりが発揮されている。戦況の読めない愚劣な指揮官の下ではどういう作戦を決行しても勝てるわけがない。真実はどうだったのかわからないけど大きくは外してないだろうと思う。結末は残念でならない。2021/12/11

てぃと

21
登場人物の中で最も好きだった次郎が死んでしまいました(涙)。周りの声に聞く耳を持たず精神論を振りかざす首相や前線の司令官。日本はもうどん底に落ちていくしかありません。そして満州の大地に夢を求めていた日本人の姿ももう描かれません。満州の大地を駆け抜ける次郎の雄姿をもう一度見たかった.....。2017/01/27

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