内容説明
溥儀(ふぎ)を皇帝に祭り上げ、帝政へ移行した満州国。だが楽土の風はそよとも吹きはしない。抗日連軍に参じた中国人や金日成を奉ずる朝鮮人がゲリラ戦を仕掛ける。蒙古、ロシア、ユダヤ、インド、民族の野心が地に蟠(わだかま)る。歴史の最前線で、敷島四兄弟はそれぞれの闇に抗いながら日々を重ねてゆく。遥かなる帝都を震撼させた二・二六事件。その報に揺れる大陸の日本人たちを描く、第四巻。(解説・高山文彦)
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
カムイ
36
満州国にきな臭い事件が続々と勃発、五族協和を掲げる石原莞爾は理想をブチ立てるが民族を纏めたいのにその民族が抵抗をする、関東軍も手を焼き、一番の抵抗勢力が金日成率いる朝鮮族である、金日成は本名でなく過去の英雄人物であるらしい、その為その名にあやかり、統率する事はある意味厄介である、歴史に満州のことは粗粗、知識として抜けている、教科書では知る事は出来ない内容である、興味深く読めた、登場人物に言わせている言葉に心に響くものがあった【行き着く先は破滅しかないとわかっていてもよ、そこに向かって人間どもはドドドーッ→2020/05/05
ヨーイチ
30
前言撤回、この回は面白かった。内地では2・26事件が起こるけど、満州国の現場では心配こそすれ、手のだしようもなく、傍観しながら、各々の任務に当たるのみ。熱河が阿片の産地でその収入が初期の満州経営を支えていたって話は覚えて置きたい。満州国建国に続いて、内蒙古、北支にも衛星国を建てる構想があったらしい。一気に長城の内側ってのは流石に図々しいでしよ。コミンテルンの圧力がそろそろ強まってくる。「金日成」が個人名では無く運動の象徴だったらしいってのは面白い。2016/02/19
kinnov
22
二・二六事件や利権の鍔迫り合いなど内地での政変が、満州に更なる激流を産んでいく巻。「天皇は日本人が作った最高の虚構」と言う言葉に考えさせられる。虚構であるか否かではない。そうと考えながら尊皇を口にし、実際には政に利用する関東軍将校達の有り様にだ。己の利のために、錦の旗を言い立てる醜悪な様は、今の日本人も変わりない。 物語の始まりが白虎隊だった事、明治維新に根を持つ事の現れとして、薩長閥の事がさり気なく語られる。普段あまり言葉にはされないが、当時から今現在まで、薩長の権力志向や利権等が落とす闇と影は深い。2017/01/12
ちゃま坊
12
蒋介石、毛沢東に継いで金日成も登場。満州を舞台に関東軍と抗争が続く。一方日本では二・二六事件が。2018/01/10
ひーはー
11
読んでいて、いちばん感情移入できるのは次郎である。いまのところいちばんアクティブである。太郎は外交官として状況を見ることしかできず、三郎は憲兵になってしまう。四郎はこの先どうなるのか。 2.26事件に至るまでの人のうねりというか、きな臭い動きが、伝聞という形でありながらつぶさに描かれた。これはすごい。 中国と日本はこのあとより悲劇的な関係になっていくのだが、四兄弟はどう動くのか。興味はつきない。2017/08/08
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