望郷太郎(4)

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望郷太郎(4)

  • 著者名:山田芳裕【著】
  • 価格 ¥792(本体¥720)
  • 講談社(2021/03発売)
  • ポイント 7pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784065223079

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内容説明

「日本人」のルーツと人の「暮らし」の原点をたどり、「文明」の「落としどころ」を求め、「世界」の「神話」が次第に明らかになる。『へうげもの』『仕掛暮らし』に続く山田芳裕の最新遠大野望作。週刊「モーニング」で年2回ブロック連載中!!



大寒波襲来、壊滅的打撃、世界初期化。人工冬眠から五百年ぶりに目覚めた舞鶴太郎(まいづるたろう)は、愛する家族も財産も全て失った。絶望の淵から這い上がり、理想の暮らしと生きがいを求めて、祖国「日本」を目指す。ヒトと文明の歴史をさかのぼるグレートジャーニー。人類よ、これが未来だ!!

猛獣エンリルとの壮絶な戦いでミトを失い、パルの帰郷に従うこととなった太郎。凍える大地で叔父一家は生きていた。招かれざる客でありながら、村の存亡をかけた「大祭り」に巻き込まれる。未知なる原始の習俗が太郎の運命をもてあそぶ!!

西の村や中の村よりも発展している東の村へ贈与された太郎。農耕が行われ、人口も多いこの村では奴隷たちが重労働を通じ長一族に奉仕していた。虚しく使役される男たち。復讐を誓う若き女奴隷頭。人でありたい。人になりたい。彼らを救いたい太郎は、やがて力の源泉に気づく!!

生きんがための戦いを終え、太郎とパルはバイカル湖南端へ到達。ここは楽園と思った矢先、太郎は高熱に倒れた。薬を求めてパルは村へと出たが、「売買」を知らず囚われの身に。聖と俗が共存し、一見平和なヤープト村も、東の村同様、事実上の宗主国マリョウの苛政に苦しんでいた。人々の暮らしを救うため、太郎は「税」と「土地」で闘いを仕掛ける!!

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

眠る山猫屋

41
中央アジアを東へ東へ。太郎は“金”の奴隷にならない事を胸に刻んだが、世界は一度は失った貨幣経済を復活させる道を選んでいるようだ。終盤に太郎がバルに語る物々交換の弊害には、なるほどと唸らされた。武力や宗教を絡め、更なる障害を太郎は乗り越えられるのか。過去の反動からか、太郎の純粋な理想を求める気持ちが“金”に魅せられた人々を動かせるのか。そしてパルは祭の格闘技で巨女トゥルンに勝てるのか?2021/03/28

ミエル

20
6巻を購入したので読み直し。初読時に感想書いてなかった。旅を進める度に文明が進んでいく時空を超えたロードムービー的な本作に、貨幣が登場したのが3巻、本巻ではついに税に登場。税の徴収があれば、公務の概念も出来て職業によるヒエラルキーも細分化していく。メリットはこんなところだけど、ふわふわ牧歌的な生活をしていた太郎から見ればデメリットも。資源や利権争いに苦しむヤープト村を改革に着手する展開が楽しみ。2022/02/28

ぐうぐう

20
病み上がりの身体を温泉で癒す太郎。極楽だ、死んでもいいとすら思う。しかし、直後、村で出された羊の腸詰めとワインに、早くも文明の有り難さを実感する。金が流通すると、金により苦しむ人がいるのを知り、時代は繰り返すことを認識もさせられる。豊かな暮らしを実現するための税が存在し、しかし税の徴収は、強い国による弱い村の支配、属領という構図を生む。時代を繰り返さぬために、太郎は村独自の金を発行し流通させることを目論む。つまり、金に使われるのではなく、金を使うようになるということ。(つづく)2021/04/07

とんかつラバー

8
次に訪れた大きな村・ヤープトは奴隷制度もなく発展している。しかしそれは大国マリョウに大量の税金を納めているからだった。太郎はヤープト独自の通貨を作りその発行権を握ろうとする。それは欲などではなく、かつての自分は金が増えるための道具だったが、使われるのではなく金を使うようになると決心したから。そしてヤープトを住み良い所にしたい。今は紙切れに判子を押せば全てだが、祭司が話を聞いて嘘を言っていないのを体で感じ取って取引に応じるシーン、いいね!2023/01/16

kanon

6
明らかに面白くなってる。この作品で描かれていることは今の世の中でもある。他人事のように読んではいけない。しかし太郎みたいに法律を自分の手で変えたりは出来ない。どうしようもないことはある。だから何だろう、作品からは「人間」を学べば良いのかな。2021/03/23

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