望郷太郎(7)

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望郷太郎(7)

  • 著者名:山田芳裕【著】
  • 価格 ¥759(本体¥690)
  • 講談社(2022/07発売)
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  • ISBN:9784065285565

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内容説明

「日本人」のルーツと人の「暮らし」の原点をたどり、「文明」の「落としどころ」を探し求め、「世界」の「神話」を明らかにする。凍てつく中央アジアで死に場所を求める旅は、文明の根本をなす「経済」の源泉へ迫る旅となっていく――。『へうげもの』『仕掛暮らし』に続く山田芳裕の最新遠大野望作。週刊「モーニング」で年2回の「ブロック連載」中。「コミックDAYS」でも好評配信中!!


大寒波襲来、壊滅的打撃、世界初期化。人工冬眠から五百年ぶりに目覚めた舞鶴太郎(まいづるたろう)は、愛する家族も財産も全て失った。絶望の淵から這い上がり、理想の暮らしと生きがいを求めて、祖国「日本」を目指す。ヒトと文明の歴史をさかのぼるグレートジャーニー。人類よ、これが未来だ!!

猛獣エンリルとの壮絶な戦いでミトを失い、パルの帰郷に従うこととなった太郎。凍える大地で叔父一家は生きていた。招かれざる客でありながら、村の存亡をかけた「大祭り」に巻き込まれる。未知なる原始の習俗が太郎の運命をもてあそぶ!!

西の村や中の村よりも発展している東の村の奴隷となった太郎。農耕が行われ、人口も多いこの村で虚しく使役される男たち。復讐を誓う若き女奴隷頭、プリ。人でありたい。人になりたい。彼らを救いたい太郎は、やがて力の源泉に気づく!!

太郎とパルはバイカル湖南端へ到達。聖と俗が共存し、楽園かと思われたヤープト村も、東の村同様、事実上の宗主国マリョウの苛政に苦しんでいた。人々の暮らしを救うため、太郎は「税」と「土地」で闘いを仕掛ける!!

ヤープト村自立のため、土地を買収し、独自の貨幣「マー」発行を企む太郎。その試みを潰すべく、マリョウの兵団長は太郎に全面協力する村長を脅し、屈服させた。そして拉致される太郎。同時多発的に苛烈な暴力がふるわれる!!

祭司の息子にして兄殺し。まつろわぬ集団「祭組」の長。そしてこの五百年後の世界で、西の果てを見てきた男――。旅の仲間にハッタが加わった。目指すは地域の覇権国家、マリョウ。大国を動かす原理の中枢に、三人はそれぞれのやり方で迫る!!

チラリと見えた日本の姿。だがその前に、大国マリョウの権力者に挑まねばならない。立ちはだかるのは、次第に姿を現す「資本」、そして不可分な「暴力」。かつてカネを道具として使い倒した男・太郎は、500年後に「マー」を予想外の形で革新し、国家転覆計画を起動させる!

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ぐうぐう

21
「一体 何なんだ太郎…………「選挙」ってのは…………?」「王が国の代表を選ぶんじゃなく…………市民が投票して多数決で選ぶ事さ」「じゃあ代表を決める力がある分……王より市民が偉ぇのか?」「そうとも言える それを五百年前は民主主義と呼んでた」とはいえ、金で人は動く。あるいはそれ以上の力を持つ宗教組織が選挙を容易に支配する。初期化された世界は、たった五百年で、前世界のシステムと悪しき構造を急速に模倣していく。それに抗えるのは、前世界での失敗を知る太郎と、初期化された世界でまだ欲に塗れていない人達だけだ。2022/09/24

ミエル

19
聞こえのいい民主主義風刺が効きまくり。ついに紙幣が登場。ここまで進んだけど、ネガティブ要素も増えてきた。拝金主義の上級国民、奴隷に人身売買、悪魔の儀式あたりの現代の闇?都市伝説がサラリと登場。500年前の太郎の記憶として語らせればキワドい所まで描きこめちゃうのか。上手いなあ。ここまで書き込んで大丈夫?それにしても人生2周目の太郎はほんと有能。「より良いものを贈れるものが強いんだ」おっしゃる通りです。選挙をきっかけに新展開が…!早く続きが読みたいー。2022/08/18

とんかつラバー

11
これまで集落の発生、奴隷制度、貨幣の概念など怒涛の人類史の一気読みだったが、ついに出てきた「選挙」!!教科書では民主主義の素晴らしさと選挙の公正性が書かれてたけど、その正体だよー!国母となったプリのやり方は人を動かす上で効率がいい。対して研ナオコみたいな髪型の女。こいつは真性の「悪」だぜっ!今まで敵対者はたくさん登場したけど、ここで初めて「悪い」奴の登場だぜー!太郎がどう打って出るのか次巻が待ち遠しい!!2023/01/22

北白川にゃんこ

7
やはり宗教!宗教は人を支配しやすい!2022/11/27

毎日が日曜日

4
★★★2022/07/31

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