時代小説文庫<br> 三国志 十一の巻 鬼宿の星

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時代小説文庫
三国志 十一の巻 鬼宿の星

  • ISBN:9784894569669

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内容説明

張飛は死なず。呉への報復戦を劉備自ら率いる蜀軍は、関羽を弔う白亜の喪章、張飛の牙旗を掲げ、破竹の勢いでシキを制した。勢いに乗る蜀軍に対し、孫権より軍権を委ねられた陸遜は、自軍の反対を押し切り、夷陵にて計略の秋を待つ。一方、自らの生きるべき道を模索し、蜀を離れていく馬超。呉の臣従に対し、不信感を募らせる魏帝・曹丕。そして孔明は、呉蜀の決戦の果てに、遺された志を継ぐ。北方版〈三国志〉衝撃の第十一巻。

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

W-G

360
陸遜がかなり好き。いまいちぱっとしない呉の中で、悩み抜きながらも勝利をものにしていく姿が良い。お陰で劉備が寝込んでしまう訳で、印象は良くないかもしれない。これまでも、呉はこすっからい小悪党な立ち位置が確立してしまっているが、しかし陸遜は何かが違う。孫策/周瑜直系。それ以外では、馬超の離脱と劉備の死が山場。蜀の将軍となってから、目立つところのない馬超をこういう風に仕立てたのは面白い。そして劉備の死と前後して、蜀では馬謖が台頭してくる。次の巻あたりで泣いて切られることになりそうな伏線もちらほら。2018/12/22

ehirano1

126
孔明と趙雲の会話。「みんな、いなくなってしまいましたね、趙雲殿」、「そうだな。殿まで、いなくなってしまわれた」、「月の光が、きれいですね」。しみじみとした情景が目に浮かび、一読者としても感慨深いものを感じます。孔明の「月の光が、きれいですね」。この光景はこの言葉以外は出てきませんね。しかし、なんだか寂しいですね・・・・・。2017/06/11

はっせー

90
劉備の死。三国志を読んでいるとつい劉備が主人公だと錯覚してしまう。あくまでも歴史。蜀も呉も魏もすべての目線で書かれている。だがやはり劉備は主人公感が強い。人徳があると言われる劉備だが義兄弟を殺されると恨みから戦争を始めてしまう。たとえそれが国を滅ぼす結果となったとしても。理論を超えた戦いは双方に大きな変化をもたらす。おそらくここらへんから歴史の彩りが変わり始めたと言っても過言ではない。新しい世代。おわりへと向かう乱世。悲しい思いがするが早く続きを読みたくなる。そんな作品である!2022/11/03

mayu

84
ついに劉備までもが世を去ってしまう。天下を目指すなら冷静に諸葛孔明の策をとるべきなのに、関羽や張飛の恨みを晴らしたい気持ち、人としての情を優先させる。そこが劉備の弱さでもあり結果として大敗を喫したわけだけど、そうじゃなかったら、こんなに人を惹きつける将にはならなかったと思う。諸葛孔明との間には、関羽や張飛との絆とはまた別の信頼を感じた。信じて会いたくても会えるまで待つこと、信じて後を託せること。劉備亡き後の蜀がどうなっていくのか。世は移り変わるものだが、初期の英傑が次々に去り、やはり寂しさは否めない。2021/06/07

ehirano1

81
#限界まで調練を続けると、兵は一皮むける。#戦場にいないという理由だけで、建策しなかった・・・#尽きることのない悔恨を吐き出せる相手は劉備しかいない。そして多分、癒し合うこともできる。#欠点のひとつやふたつはあった方が、安心して付き合える。2021/12/19

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