内容説明
混迷深める乱世に、ひときわ異彩を放つ豪傑・呂布。劉備が自ら手放した徐州を制した呂布は、急速に力を付けていく。圧倒的な袁術軍十五万の侵攻に対し、僅か五万の軍勢で退けてみせ、群雄たちを怖れさす。呂布の脅威に哂され、屈辱を胸に秘めながらも曹操を頼り、客将となる道を選ぶ劉備。公孫讚を孤立させ、河北四州統一を目指す袁紹。そして、曹操は、万全の大群を擁して宿敵呂布に闘いを挑む。戦乱を駈け抜ける男たちの生き様を描く、北方版〈三国志〉第三巻。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
W-G
404
見どころの多い巻。女体に溺れて罠に嵌まり、意外な脆さを見せる曹操。前半ほとんど出てこない劉備と孫策も、呂布に志をぶつける場面や、周瑜と一緒に嫁をさらいに行くくだりなど、面白い展開が用意されていた。そして、誰もが納得の通り、この巻は呂布と赤兎のためのもの。海に入って立ち尽くす赤兎のシーンは、いまのところ屈指の名場面。その他、陳宮への接し方を見ても、呂布には変化が見られ、それがまたいい。曹操が戦で仕掛けた策も手に汗握らされた。呉では太史慈がいい味出して来ている。最初の山場として文句なし。2018/12/08
ehirano1
176
ハードボイルド三国志。本巻の主人公は“漆黒の殺戮マシン”呂布奉先。しかしその人間的正体は・・・・・泣かせるじゃないですか、北方さん。あんたこれを書きたかったんでしょ、絶対そうでしょ。三の巻にして既に最高潮。十三巻まであるんですけどね。大丈夫か当方の血圧!2017/06/10
おしゃべりメガネ
100
なんとか読了できた第3巻。面白いのは間違いないのですが、ぐいぐいと読めるトコとペースがガクンと落ちるトコとなかなか極端になりました。やはり戦の計画段階の記述になると正直、誰が誰でドコを相手に何をしようとしてるのかサッパリになりつつあります。そこら辺を差し引いても、戦自体の描写や人と人との対話シーンなどはやはり引き込まれてしまうので、北方先生の記述、恐るべしですね。さて、話自体はまずはひと段落した感じのある本作です。果たして一体誰が主人公なんだ?と疑問になるくらいの「呂布」カラーが強めだった前半でしたね。2024/04/11
あすなろ
96
やり方を変える時期に来ている。五千の兵を擁していれば誰も流浪の義勇兵と考えてくれない。そんな、転の描写から始まった3巻。前半は、曹操と劉備の描写に惚れる。劉備が泣く。中間部では、雛氏の妖婦の描写に惚れる。後半部は、また呂布と赤兎の描写に泣かされる。北方氏の男の美学絶好調になって来てるな!さて、来年中には、北方三国志を読了することを一つの読書目標にしよう!2017/12/31
Kircheis
93
★★★★☆ 前半の一番のハイライトである呂布の死が描かれる。 胸が熱くなる。2018/01/28