内容説明
息詰まる展開の「新・秋山久蔵御用控」第4弾!
武家の妻女風の女が、名前も家も、昔のことも分からない状態で寺に保護された。だが久蔵の手下が見張りにつく中、女は姿を消した。女は何もわからない“ふり”をしているのではないか――。
一方、仇討免許状を届け出た若い侍が、武家の妻女を探していた。侍は元宇都宮藩藩士で、兄を朋輩に斬られ、その敵を討つつもりだという。そしてその兄の妻こそが、何もわからないふりをしていた女のようだ。
だがその頃、その女は敵であるはずの男を探し当て、そこに身を寄せていた。
はたして事の真相は、そして女の目的は何なのか?
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
いつでも母さん
144
新シリーズの第4弾。いつもの面々が事件を追い久蔵が裁く。穏やかで徳のある者の裏の顔や、一人働きの盗人同士のあくどさに、いつの世も変わらぬバカ息子に甘い親。タイトル作はちょっと切なかった。ところで、そろそろ和馬に目出度い話があってもいいんじゃないでしょうか?柳橋も代替わりが進み、大助も成長がうかがえるのだもの。このシリーズは安心して読めるなぁ。2019/04/28
とし
97
新・秋山久蔵御用控「返討ち」4巻。いつもながら安定感バッグン、幸吉さんも、二代目柳橋の親分らしくなってきましたね、大助さん活躍も、いつもながら久蔵さん情け容赦ない裁きと情の裁きは良いですね。2019/05/28
真理そら
29
「俄狂言」は早い段階で状況が分かってしまうが、趣向が楽しかった。新ジリーズになってからは、このシリーズ独特の情感溢れる季節感が薄らいだ気がして少し寂しい。今作は可愛い大助が影薄だったのも少し寂しかったかな。2019/04/19
zuccalove
3
仲間との連携が本当に素晴らしい。 久蔵さんの大立ち回りは少ないものキレのあるお裁き、素敵です。2019/10/26
goodchoice
2
淡々といた語り口で進む物語の一編一編に味があり、読んでいて楽しめる。珍しい展開にはならないが、その分安定感があふれ、いわゆる捕物帳としての楽しさがとても楽しい。2019/05/20