ヒューマニティーズ<br> 哲学

個数:1
紙書籍版価格
¥1,430
  • 電子書籍
  • Reader

ヒューマニティーズ
哲学

  • 著者名:中島隆博
  • 価格 ¥1,100(本体¥1,000)
  • 岩波書店(2019/03発売)
  • ポイント 10pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784000283212

ファイル: /

内容説明

哲学のフロントは,哲学が哲学ではないものと向かい合う,その境界にある.哲学ではないものとは,科学でもあるだろうし,宗教でもあるだろう.しかし,哲学がもっとも鋭く対立するものは,一見すると哲学にみえる準-哲学である.準-哲学としてのアジア思想の側から,哲学とそのアクチュアリティを問い直す.

目次

目  次
   はじめに

 一、哲学はどのように生まれたのか
  (一) 哲学の始まり
   哲学者は単独で概念を定義する/始まりの海、ギリシア──哲学者は外国人である/ギリシア的環境──内在、友愛、オピニオン/避けられる中国/哲学としての中国
  (二) 中国哲学の始まり
   哲学と中国哲学史──胡適/中国哲学の始まり/ロゴスと目的論/発生的方法と祖孫の方法──ジョン・デューイと胡適/歴史的使命に対する自覚/自覚の歴史と歴史の自覚に抗して
 二、哲学と翻訳そして救済──哲学を学ぶ意味とは何か
   翻訳の哲学/翻訳という概念/救済の時間性──歴史のメシア的終末/都市の言語としての翻訳の言語
 三、哲学と政治──哲学は社会の役に立つのか
   近代東アジアの哲学経験──西田幾多郎と新儒家/西田幾多郎の晩年性/日本文化の形態──無に囚われない無の思想/皇道の政治哲学/新儒家と内聖外王/仏教と内聖外王──熊十力/仏教の排除と儒家思想の導入/内聖外王の学の失敗──梁漱溟の批判/直通から曲通へ──牟宗三/自己否定という方法/自覚的な自己否定の限界/否定政治学としての哲学を越えて
 四、哲学の未来──哲学は今後何を問うべきなのか
   奪われた声/被植民者の沈黙に言葉を返す/ 「新しい戦争」の時代なのか/正義の戦争の原光景──放にして祀らず/歓待と暴力/入植する者と国家を逃れる者/終末論とメシア的平和/近さと国家/他者と遭遇する戦争
 五、哲学を実践するために何を読むべきか
   おわりに

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

ジュール リブレ

7
哲学…… 難しいものだ。 初めて触れる哲学が、この本、と言うのも厳しいのかも。 二回読んでも、まだ、入って来ない。さすが、考える学問…2011/09/28

非実在の構想

4
諸思想の解釈を繋ぎあわせたパッチワークによる自らの思想の表明みたくなっている。熊十力の唯識を内聖外王に結びつける話が面白い。2019/12/01

左手爆弾

4
ドゥルーズ=ガタリによる「哲学とは概念の創造である」を手がかりに、日本の西田幾多郎、中国の新儒家を再読。それは「翻訳」によって西洋のロゴスを手に入れようとする過程でもあり、西田においては中国の否定をも含んでいた。ただし、それは結局のところ自国の歴史と現実政治を肯定する否定政治学に行き着くという面もあった。概念が変更されることによって現実の問題への解決の道筋が見える。たとえば、パレスチナ問題の「解決」は何を意味するか、などは先に概念が創造されなければならない。つまらなくはないが、薄くて掘り下げ不足。2016/02/17

garyou

2
「ヒューマニティーズ 」というシリーズは人文学のこれからについて各分野の学者が執筆したものなのだろうと思う。薄くて一見入門書のようではあるけれど、「これから」を読むには読者の方にもある程度の知識が必要ということなんだろうな。いま読むと、「哲学とは何か」ということよりも、9.11以降「新しい戦争」と呼ばれたものが実は植民地戦争と変わらないという話にひかれてしまう。文献については詳しい説明があるのはちょっと嬉しい。2022/03/15

Masaki Saitou

1
題は「哲学」と銘打っているが、結局は日本の哲学学者における見解を他者の思考を引用して述べているような著書であったように感じる。確かに、これが著者の哲学的思考の作品である、というならば、この著書はその意味において十分であると思われる。しかしながら、この書は「哲学」についての説明、(目次通り)実用性とこれからの哲学について述べるべきである。ゆえに、終わりにで述べられている著者の見解をもっと押し出してほしかった。この書の複雑さは、著者が「哲学とは何かを考える時に孤独に思考するもので無い」と述べている結果かと思う2012/12/09

外部のウェブサイトに移動します

よろしければ下記URLをクリックしてください。

https://bookmeter.com/books/376300
  • ご注意事項