内容説明
哲学のフロントは,哲学が哲学ではないものと向かい合う,その境界にある.哲学ではないものとは,科学でもあるだろうし,宗教でもあるだろう.しかし,哲学がもっとも鋭く対立するものは,一見すると哲学にみえる準-哲学である.準-哲学としてのアジア思想の側から,哲学とそのアクチュアリティを問い直す.
目次
目 次
はじめに
一、哲学はどのように生まれたのか
(一) 哲学の始まり
哲学者は単独で概念を定義する/始まりの海、ギリシア──哲学者は外国人である/ギリシア的環境──内在、友愛、オピニオン/避けられる中国/哲学としての中国
(二) 中国哲学の始まり
哲学と中国哲学史──胡適/中国哲学の始まり/ロゴスと目的論/発生的方法と祖孫の方法──ジョン・デューイと胡適/歴史的使命に対する自覚/自覚の歴史と歴史の自覚に抗して
二、哲学と翻訳そして救済──哲学を学ぶ意味とは何か
翻訳の哲学/翻訳という概念/救済の時間性──歴史のメシア的終末/都市の言語としての翻訳の言語
三、哲学と政治──哲学は社会の役に立つのか
近代東アジアの哲学経験──西田幾多郎と新儒家/西田幾多郎の晩年性/日本文化の形態──無に囚われない無の思想/皇道の政治哲学/新儒家と内聖外王/仏教と内聖外王──熊十力/仏教の排除と儒家思想の導入/内聖外王の学の失敗──梁漱溟の批判/直通から曲通へ──牟宗三/自己否定という方法/自覚的な自己否定の限界/否定政治学としての哲学を越えて
四、哲学の未来──哲学は今後何を問うべきなのか
奪われた声/被植民者の沈黙に言葉を返す/ 「新しい戦争」の時代なのか/正義の戦争の原光景──放にして祀らず/歓待と暴力/入植する者と国家を逃れる者/終末論とメシア的平和/近さと国家/他者と遭遇する戦争
五、哲学を実践するために何を読むべきか
おわりに
感想・レビュー
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ジュール リブレ
非実在の構想
左手爆弾
garyou
Masaki Saitou