ヒューマニティーズ<br> 女性学/男性学

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ヒューマニティーズ
女性学/男性学

  • 著者名:千田有紀
  • 価格 ¥1,100(本体¥1,000)
  • 岩波書店(2019/03発売)
  • GW前半スタート!Kinoppy 電子書籍・電子洋書 全点ポイント30倍キャンペーン(~4/29)
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  • ISBN:9784000283267

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内容説明

「女性/男性」という視点からみることによって,それまでの世界はどう変わってゆくのだろう.「性別」という「当たり前(自明性)」に思われているものは,どのように作られたのか.学問と性別を考えることは,理論的にも実践的にも,スリリングな試みである.性と,その欲望をめぐる政治とは何なのかを解き明かす.

目次

目  次
   はじめに

 一、性別とは──女性学/男性学を学ぶ意味とは何か
  (一) 性別の不確定性
   語られない性
  (二) 性の歴史学
   セックスの発明/身体観とは
  (三) 性の生物学
   哺乳類の発明/骨格からみる性差/卵巣の発見/知の政治性
 二、近代社会の成立と完成──女性学/男性学はどのように生まれたか
  (一) 近代社会の成立
  (二) 人権と女の権利
   女権宣言
  (三) 母性保護論争
  (四) ウーマン・リブ
   母性批判/リブの方法論/男性性とは/女の加害者性
  (五) 女性学の誕生
    「生産性の論理」批判
 三、女性学と「女の論理」──女性学/男性学は社会の役に立つのか
  (一) 女性学をめぐって
   女性学とは/女を対象とする/女のための女性学/女による女性学/女性学の担い手/分離主義か統合主義か/女の論理とは
  (二) 性役割
  (三) エコロジカル・フェミニズム
   リブとフェミニズム、ジェンダー/エコロジカル・フェミニズム論争
  (四) マルクス主義フェミニズム
  (五) ポスト構造主義的ジェンダー論
   新しいジェンダー論の意味/身体と物質性
 四、性の多様性──女性学/男性学の未来はどうなるのか
  (一) フェミニズムはナショナリズムを超えられるか?
  (二) ポスト植民地主義とジェンダー
   発話の位置とは
  (三) 男の解放
   男性学/男の身体
  (四) セクシュアリティ
   レズビアンである、ということ/ 〈男制〉と〈女制〉/欲望の政治
 五、何を読むべきか
   女性学/男性学の歴史と理論/性別をめぐって/近代社会のシステムと思想/女性学の諸理論/性の多様性
   あとがき

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

K(日和)

35
自分が思いもよらなかった性別の定義が文章中に登場して動揺する。理解できているに違いないと思っていた自分を恥じる。性別に対してでさえ偏った見方になってしまっているとは。インターセックスである橋本秀雄は性を9つの次元に分けている。「性染色体の構成」「性腺の構成」「内性器状態」「外性器状態」「誕生したときに医者が決定する性」「戸籍の性」「二次性徴」「性自認」「性的指向」これらをすべて一括りにして性別に対するイメージを抱いているに過ぎない。2018/03/04

Aby

9
「ジェンダー研究は,今どこにいるのだろう」と10数年ぶりに新しい教科書(というほど新しくもなかった2009年発行)を読む.あとがきに「高校生にも分かるように」と砕けた文体で書かれており,読みやすかった.新しく入ってきた人への入門書として良いだろう.それはさておき,性的少数者は,あの頃よりも多少は息苦しくなくなっただろうか.本当に?2015/09/21

王子

7
女性学/男性学的な視点に立つことがどういうことなのかがわかりやすく書かれていた。しかし、その生真面目さに居心地の悪さを感じるところもあった。「性の解放」とはいったい何なのだろう。それは自己解放であるべきだと、ここでは言われていたが、その内実とは?疑問は尽きない。2017/07/15

takizawa

7
理論重視の手堅い入門書(こだわりを見せたというタイトルからも明らかだけど)。女性学の成立と発展がよくわかる本。ウーマンリブから女性学への流れ,マルクス主義フェミニズムからポスト構造主義的ジェンダー論に至る論争の過程など重要な議論について詳しく書かれていてバランスが良い(良い入門書の条件は網羅性を放棄すること)。そのうえで最近の話題もカバーして,それを女性学の中に位置付けているのがすごいと思う。クィア学会設立,性分化疾患という呼称の提唱,『ブレンダと呼ばれた少年』再販問題など。2010/02/16

キッチンタイマー

5
フランス人権宣言には隠された、女性人権宣言があった。それを表したグージュは奇しくも人心騒乱の罪で断頭台へ。フェミニズムの歴史の始まり。また、1000人に1人いるというインターセックスは男女というカテゴリー別が無駄だという。思考する人が多ければ多くのフェミニズムが存在するだろう。そうした流れを掴むためには最適。非常に面白かった。

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