内容説明
コントは,人々の有機的連帯として社会を捉え,個人や集団を結びつける力に関する学として社会学を構想した.本書では,十九~二十世紀の医療社会学の流れをたどりながら,自由・平等・連帯をキーワードに,コントの後,社会的なものの概念と社会学がどのように変遷したのかを検証する.社会学が現代に持ちうる役割を問う.
目次
目 次
はじめに
一、オーギュスト・コントと社会学──社会学はどのように生まれたか
いつでも、どこでも社会学はあった?/遡及的再集合化/アリストテレスとモンテスキュー/構造機能主義/ 「社会学」という言葉の誕生/生命としての社会/マルクス主義との違い/統計学と社会学/政治解剖学と社会生理学/連帯なき平等と平等なき連帯/歴史的方法とコロニアリズム/政治経済学批判/ 「社会学」という言葉の意味
二、医療社会学の系譜──社会学は社会の役に立つのか
社会学に先立つ医療社会学/ヴィレルメ/フィルヒョウ/グロートヤーン/医療社会学と医療の社会化/連帯原理と等価原理/所得格差と社会関係資本/二つの医療社会学/生命倫理と医療社会学/社会的なものと優生学/障害学が開く社会的なもの/社会学は社会の役に立つか
三、社会的なものからの自由──社会学を学ぶ意味とは何か
社会化とは何か/スペンサー/社会主義と機会の平等/救貧法と最適者生存/保健行政と医療/植民地行政と経済的自由主義/individual という概念/サムナーとウォード/リベラリズムと社会学史
四、社会学的リベラリズム──社会学の未来に向けたその過去
m・ヴェーバーと『社会科学・社会政策論叢』/文化科学としての社会科学/ドイツの社会政策/ブレンターノの社会学/国家、市場、中間組織/分配的正義と社会的リベラル/社会科学の「客観性」/グロートヤーンとヴェーバー/資本主義の精神と社会学/ヴェーバーにおける社会的なもの/アノミーとしての社会学/異議申立てとしての社会学/政治的なものの概念と社会学的リベラリズム
五、各章でふれた文献と参考文献──何を読むべきか
各章でふれた文献について/参考文献
おわりに
感想・レビュー
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白義
ソーシャ
えむ
ぽん教授(非実在系)
森永博雄