ヒューマニティーズ<br> 社会学

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ヒューマニティーズ
社会学

  • 著者名:市野川容孝
  • 価格 ¥1,100(本体¥1,000)
  • 岩波書店(2019/03発売)
  • ポイント 10pt (実際に付与されるポイントはご注文内容確認画面でご確認下さい)
  • ISBN:9784000283304

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内容説明

コントは,人々の有機的連帯として社会を捉え,個人や集団を結びつける力に関する学として社会学を構想した.本書では,十九~二十世紀の医療社会学の流れをたどりながら,自由・平等・連帯をキーワードに,コントの後,社会的なものの概念と社会学がどのように変遷したのかを検証する.社会学が現代に持ちうる役割を問う.

目次

目  次
   はじめに

 一、オーギュスト・コントと社会学──社会学はどのように生まれたか
   いつでも、どこでも社会学はあった?/遡及的再集合化/アリストテレスとモンテスキュー/構造機能主義/ 「社会学」という言葉の誕生/生命としての社会/マルクス主義との違い/統計学と社会学/政治解剖学と社会生理学/連帯なき平等と平等なき連帯/歴史的方法とコロニアリズム/政治経済学批判/ 「社会学」という言葉の意味
 二、医療社会学の系譜──社会学は社会の役に立つのか
   社会学に先立つ医療社会学/ヴィレルメ/フィルヒョウ/グロートヤーン/医療社会学と医療の社会化/連帯原理と等価原理/所得格差と社会関係資本/二つの医療社会学/生命倫理と医療社会学/社会的なものと優生学/障害学が開く社会的なもの/社会学は社会の役に立つか
 三、社会的なものからの自由──社会学を学ぶ意味とは何か
   社会化とは何か/スペンサー/社会主義と機会の平等/救貧法と最適者生存/保健行政と医療/植民地行政と経済的自由主義/individual という概念/サムナーとウォード/リベラリズムと社会学史
 四、社会学的リベラリズム──社会学の未来に向けたその過去
   m・ヴェーバーと『社会科学・社会政策論叢』/文化科学としての社会科学/ドイツの社会政策/ブレンターノの社会学/国家、市場、中間組織/分配的正義と社会的リベラル/社会科学の「客観性」/グロートヤーンとヴェーバー/資本主義の精神と社会学/ヴェーバーにおける社会的なもの/アノミーとしての社会学/異議申立てとしての社会学/政治的なものの概念と社会学的リベラリズム
 五、各章でふれた文献と参考文献──何を読むべきか
   各章でふれた文献について/参考文献
   おわりに

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

白義

11
強い問題意識に貫かれた初期社会学史。コントやスペンサーからしっかりこの学問の誕生と歩みを辿っているが、その深層には現代のネオリベ的政策論と対決する姿勢や社会学とリベラリズムの危機への洞察があり、通常の学説史とは一味違う読みごたえがある。とりわけ、医療社会学や障害学については著者の得意分野だけあって面白かった。参考文献はガチガチでかなり大学生向けだと思う。今、社会学に何が出来るのかを、一般的なメディア社会学とは違う視点から探りたい人にぜひオススメ2012/07/26

ソーシャ

2
社会学はどのように成立したものなのかを現代社会学とは少し異なる視点から著者なりの問題意識のもとで論じた本。社会医学からの流れや障害学などなかなか面白いところもあった一方で、「社会的」という語の意味の変遷についてなど入門書のはずなのに結構難しいテーマを扱っています。一番初めに読む社会学の本としてはおすすめしにくいかもしれません。2014/11/28

えむ

1
著者の個性が出た社会学史。2016/07/19

ぽん教授(非実在系)

1
あらゆるものに対して批判的なまなざしを、それこそ社会学それ自体にも向けるべきこと、社会学は社会現象を全て観察対象としつつ取るべき方法論も包括的に摂取していくべきことを意欲的に書かれている。途中の著者の専門の医療社会学についてはコント・スペンサー・サムナーといった社会学の古典をしつこく論じて優生思想批判につなげていて面白い、が、一方で著者は医療モデルに批判したいあまり社会モデルに拘りすぎているように思う。という形で一つ社会学する訓練にもまたなるのである。2015/05/25

森永博雄

1
小さな大著という感じで、ページをめくるごとに目を開かされるところがある。予告されている近著『社会学入門』では、社会学に何ができるかを書くとのことで楽しみ。読み直す。2015/01/11

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