内容説明
大和奈良から始まり、そして百寺を訪ねる旅は、いま、四国九州で完結する。お遍路の寺を巡り、未知の仏像の魅力を満喫する旅。ここにはたくさんの人の思い、願い、希望がある。百の寺々の姿が、脳裏に浮かんでは消えていく――。五木寛之の『百寺巡礼』、ついに完結!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
73
最終巻は四国・九州で締めています。四国というと八十八ヶ所巡りの印象が強いので、お遍路の語りにはかなり引き込まれました。九州は逆に隠れキリシタンの印象から寺院のイメージはあまり浮かばなかったのですが、中国との貿易の関係などから仏教も伝来していたのですね。日本の100寺院を見てきて、クリスチャンながら良き日本を見たような気がします。2018/08/09
クラムボン
14
最終の第十巻は四国と九州。「百寺巡礼」は 2003年から2年間テレビ朝日の紀行番組として始まり、講談社の記念事業企画の一つでもありました。奈良の室生寺から始まり、大分中津の羅漢寺で成就する。私も2年前から読み進めましたが、その間に百寺を訪れることも関連本を読むことも無く、淡白な付き合いでしたが、それなりに程好い距離感だったと思います。今回の四国・九州も知らないお寺ばかりで、この一冊を読んでも余り手応えは無いのですが、これからもう少し掘り下げるのも良し、また他の方の古寺巡礼を読むのも良い…ですね。2022/08/25
雨巫女。@新潮部
11
何故か、最終巻からスタート。熊本の本妙寺が載っていたから。でもこのシリーズも、以前から興味津々だったので、残り9巻制覇しなくては。(;^_^A2010/12/06
志村真幸
5
2005年に出た単行本の文庫化。 全10巻で100の寺をめぐっていくという企画の第10巻で、四国・九州篇。 観世音寺、梅林寺、善通寺、霊山寺、興福寺、崇福寺、本妙寺、人吉別院、富貴寺、羅漢寺の10ヶ所が取り上げられている。 最後の旅というわけで、感慨深い(とはいっても、このあとにインド、朝鮮半島、アメリカと続いていくわけだが)。100を巡ることで、得られるものは多かったようだ。こんな旅を私もしてみたい。 2019/07/31
櫛部晃季
4
漸く全10巻読了。正直、四国の八十八ヶ所はイメージとして有ったけれども、九州の寺院は想像がつかなかった。それを加味してなのか、四国は2ヶ所のみで残り8ヶ所は全て九州。その中でも『隠れ念仏』に纏わる『人吉別院』と500羅漢の『羅漢寺』はかなり興味が魅かれた。このシリーズで何度か聖徳太子の『和を以て貴しとなす』が出てくるが、この巻で書かれていた「神仏習合を願っての意味も有ったのではないか」との言葉は印象的。この百寺巡礼はあくまでも五木さんの百寺、自分なりの百寺を見つけて、いつか巡礼満願が出来ると良いと思う。2012/09/06