内容説明
俗世を離れた山中の寺、人とともに生きる市井の寺。すべてが融け込む西国の旅へ。ここには聖なる高野山があり、「黄泉の国」と呼ばれる熊野がある。1400年の時を超え、庶民に愛される四天王寺がある――。安珍と清姫の道成寺、花と星の観心寺、西行ゆかりの弘川寺。すべての名刹で紡がれてきた「物語」を感じよう。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
優希
70
俗世を離れた寺の旅という印象を受けました。高野山は憧れがあるので興味深く読みました。他の寺も名刹で紡がれている物語の数々があり、寺院に訪れることは、その物語を味わうことなのだと思いました。2018/07/24
クラムボン
13
第六巻は関西の大阪・和歌山・兵庫のお寺。関西色が濃い~地域です。格式高い奈良、京都、滋賀とは違いますね。高野山は別格ですが、他は現世利益の庶民的な寺が多い。その中で大阪河内の葛城・金剛山の麓、役行者にゆかりの観心寺と弘川寺。五木さんは「風の王国」を執筆した時期、この地域に何度も通われた。そして弘川寺は西行終焉の地でもあるが、そちらはあまり関心がなさそう。ただ西行に思慕の情を燃やした僧侶の似雲(ジウン)が、西行の墓を当寺で発見し、そこに庵を結んで暮らした。こちらに興味の矛先が向いているようだ…私も。2022/01/10
jupiter68
3
旅行に行った大阪周辺。ある意味、このような本はガイドブックのような役割を果たす。行った場所の印象というか、記憶というか、強く残すことに役立つ。ありがたい。2022/06/22
カツドン支持者
3
本書を片手に姫路の亀山本徳寺と加古川の鶴林寺に参拝しました。鶴林寺は少しアクセスがしづらいですが、五木さんも魅了された「あいたたの観音さん」の優しい笑顔を見ているだけで幸せな気分になれます。観音さん以外にも名物が多数所蔵されている綺麗な宝物館があり、素敵なお寺でした。本徳寺はこじんまりとしていて正に地元の門徒の方のためのお寺といった感じ。民衆に寄り添う真宗のお寺らしいですが地元密着型だけに、一見のよそ者である私は少し入りづらかったです。2018/04/21
nao*
3
去年高野山開創1200年で訪れたが、和歌山には名刹が多い。訪問後に読むと、寺の情景が浮かんで来るので、また面白い。2016/04/11