内容説明
粋な剣、粋な芸、粋な男を目ざす栄次郎の魅力を円熟の筆で描く!
渋江藩十万石の大名、筒井能登守長久の下屋敷で催された。『京鹿子娘道成寺』の最中に最初の異変は起きた……
御徒目付矢内家の次男で、部屋住の栄次郎は、田宮流抜刀術の達人で、杵屋吉右衛門門下生でもあり三味線の名手でもある。ある日、渋江藩下屋敷に招ばれ、『京鹿子娘道成寺』を披露の最中、最初の異変を目撃する羽目になった。なんと藩主の能登守が顔面蒼白となり家来に背負われ席を退座したのである。一体、何が起きたのか……? やがて事件は、栄次郎を危地に……。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
とし
129
栄次郎江戸暦「空蝉の刻」14巻。藩の内紛の一部を目撃認めにお節介屋の栄次郎さんが首をつこみ危地に、人情家で思いやりがあり最後まで諦めずやり通す良いですね、読み終わると気持ち温かくなります(^o^)2015/10/29
あかんべ
6
ああ、長く続くこのシリーズ。どこまでつづくおせっかい。2016/01/19
chacha
5
シリーズ14 栄次郎と同じような境遇の忠四郎のことが気になり、ついには自分が将軍の父のご落胤であることを、不本意ではあるが、利用することに。これからは、このシリーズはこの方法でいろいろな事件や大名家の騒動を解決していくのかな?兄と栄次郎が同じように父を偲んでいるのが良かったな。2018/07/30
ひさか
4
2015年10月二見時代小説文庫刊。書下ろし。シリーズ14作目。ご落胤話をあかしてまで、友を救おうとする栄次郎にはらはらしました。2020/01/24
goodchoice
2
今回は殿様と双子の若侍の苦しみを栄次郎が救っていくというなかなか味のある展開だった。お節介もここまでくると見事といえる。今後も積極的にお節介をして欲しい。2015/11/10