内容説明
田宮流抜刀術の達人で三味線の名手矢内栄次郎は致命的な欠点を持つ。矢内家の血とも言うべきお節介病がそれである。それ故事件を自ら招いてしまう。一つは柳森神社の心中事件。もう一つは、稀代の名人と評判の新内語り春蝶が何者かに襲われ、命を狙われたのだ。二つの事件はどんな関係があるのか? 迷路の如く錯綜する真相……
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
chacha
6
シリーズ6。ふっきれた栄次郎が本来のお節介を。1つは心中事件。もう1つは春蝶が何者かに命を狙われること。なによりうれしいのは新八が兄の計らいで江戸で暮らせるようになったこと・これで また二人でさらにお節介がやけるというもの・・。新内の師匠の話はなんとなく分かりましたね。最後はうまくまとまってやれやれ。都々逸の福助という弟子までできて春蝶さんはもう安泰かな。新内や都々逸を聞いてみたいと思いました。2017/11/17
ひかつば@呑ん読会堪能中
5
やっとお節介の栄次郎が戻ってきた。春蝶の話も明るい結末としてくれたのでホッとしたよ。ここ何巻かの遠回りは栄次郎にとっては無駄ではなかったということだが、読まされる方は辛かったな。2012/10/10
アンドレス
4
春蝶が襲われる件や「加納屋」の内儀の不義密通の上の心中の謎など今回も栄次郎は事件解決に奔走します。 本業?の長唄がおろそかになっていないのは安心しました。 このテンポの良さが、文庫書下ろし時代小説の読者が望む展開でしょうし、小杉健治さんはやはり期待を裏切らないですねぇ。2023/07/14
ひさか
3
2011年9月刊。文庫書下ろし。シリーズ6作め。4章構成。栄次郎は、心中事件の捜査を始めることに。痛手から復活した栄次郎は、相変わらず、おせっかいで、楽しいです。2015/10/21
あかんべ
3
今回は、栄次郎以外の人の事情に終始した感がる。そろそろ最終巻か?春蝶さんを大切に思う栄次郎にも、心ほっこり。でも栄次郎は芸を、極められるか?いまだに居合いの練習をしているようでは、うーん。2011/11/17