内容説明
若き留守居役瀬能数馬の後ろ盾は、岳父となる“五万石の陪臣”本多政長。だが徳川の闇を知る本多家は、幕府にとって天敵でもあった。四代家綱の寵臣酒井忠清に替わり権力を握った老中堀田正俊は、加賀前田家の抱える本多家に狙いをつけた。老獪な駆け引きはなくとも剣の腕をもつ数馬は、老中と藩主の秘密直接会見に意外な場所を提案する。加賀潰しの包囲網から、数馬は藩を救えるのか!? 面白さ抜群の書下ろしシリーズ第五弾!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
とし
67
百万石の留守居役「密約」5巻。数馬さん大変ですね経験もなくいきなりの留守居役、藩主綱紀、将来の義父?の本多良いように使われる使い捨ての駒、また婚約者琴からも国元から遠隔操作されちょっと可愛そうですが、時々キラリと光るものが見えますね、暖かく見守りますよ。 2017/06/03
mam’selle
24
『主人公が頼りないけれど剣客で、取り巻く周りの大人達が陰険な策謀家が蠢く』この作家ならではのパターン。その昔、寅さんシリーズのレンタルビデオを連続して鑑賞した時、10作観終わった時に中身はどれも一緒じゃん!と気付きましたが、そんな感じがしました。・°°・(>_<)・°°・。2015/07/11
さく
19
ひりひりする綱紀と老中の密談。場所も居合わせる家臣らにも緊迫感があり。代替わりするまさに、その時に表に出ない話がたくさんある。前田家を守る事がいかに難しいか、それは大きな力を持っている裏返しでもある。数馬に少しずつ役目が出てきた。ワクワクしながら先に進みます。2021/05/20
ガットウ
16
★★★3.8点。酒井雅楽頭の退場。まだまだ目がはなせない!2023/04/21
ソババッケ
13
シリーズ5作目。綱吉が正式に将軍となる前の、朝廷からの使者待ちの時。そういう意味ではチマチマとした今回の展開もやむを得ないか。留守居役というのはそういう世界かもしれないが、陰湿な物語が続くのもいかがなものか。加賀藩でしか描けないような、武家の文化とか、藩内の統治手法とかそんな話も期待するのだが・・・。時代は異なるが、あの「武士の家計簿」も「加賀藩大名行列図屏風」など特徴ある大藩だけに、物語の材料に事欠かないはずだが。★3.02015/06/30