内容説明
知力ではギリシア人に劣り、体力ではケルトやゲルマン人に劣り、技術力ではエトルリア人に劣り、経済力ではカルタゴ人に劣るローマ人だけが、なぜ巨大な世界帝国を繁栄させることができたのか? ささやかな建国伝説から始まる一千年の興亡史がいま幕を開ける。もはや古典といっても過言ではない歴史大作シリーズの電子版が待望の配信開始! ※当電子版は単行本第I巻(新潮文庫第1、2巻)と同じ内容です。地図・年表なども含みます。
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感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
夜間飛行
48
ローマが全盛期アテネに視察団を送りながらあまり影響されなかった理由はいろいろあるだろうけど、筆者が言うように、傑出した一人の執政官による民主制を面白く思わなかったのかも知れない。信義を重んじるローマの平民は、「貴族が横暴なのは腹立つけど、かといって、ペリクレスみたいに民主制の面を被った独裁もイヤだ」と思ったのではないか、と勝手に想像する。周辺民族をどんどん受け入れるローマ人の特性は、良くも悪くも人間をアテにすることにある。ケルトに叩きのめされてから弱点を克服していく姿はすばらしく、お手本にしたいと思った。2013/04/07
James Hayashi
43
紀元前の話である(日本は縄文時代)。この時代に記録を細かく残していることに驚くが、第一次資料を読みこなし、読みやすく小説風に物語が進むので分かり易い。初巻はローマ誕生からの500年。この時代にして王制から共和制へ移行したり、要職を平民に開放するなど民衆が大切にされていると感じる。王政時代、7代で244年という期間にローマの基礎を築いているが、突出したリーダーは数少ない。同時代にはアレクサンダー大王、ハンニバル、ピュロスなど武力で名を挙げている。ではローマの繁栄とはなんぞや?続く→2017/11/07
kai
30
Kindleにて。諸条件が重なり未読書期間が長かったが、クリアできつつあるので、読書を再開した。このシリーズは以前から読みたいと思っていたが、なるほどこれは面白い。キリスト教を知らなかった時代のローマ人を書くのに、キリスト教の価値観を通して見たのでは(つまり西欧人には)書けないと激しくアジっている。初期ローマ人は、主に多神教の日本人と感覚が似ているのかもしれないと作者は言う。また軍隊をはじめ何でもシステマチックにする気質と行動原則を法律に求めていた2500年前、我が国は未だに縄文時代だったとは。う〜む。2018/03/24
yosa
26
FGOによる間違ったローマ観を修正するために読み始めた。嘘だけど。たぶんこの本は小説ではなく歴史書かなんかなのだろうけれど、読んでいて凄く面白い。カタカナが苦手で西洋人の名前が全然覚えられなくって学生時代日本史は得意なのに世界史は苦手だった人なのに、塩野七生さんの本は面白く読める。極論、内容が理解できなかったとしても、文体がとてつもなく素晴らしいので、文字を追うことに喜びを感じる読書になっているのだと思います。縁もゆかりもないイタリアの歴史だけれども、FGOのおかげでアウトラインはバッチリ(?)だしね!2018/01/23
りさ
26
歴史書は苦手意識が強くて、読めないものだと思っていたけれど、この本はするすると読める。読むタイミングを寝る前にしてたからずっと進んでなかったけど、通勤の歩きながら10分と電車のなかに変えたら、進みだした。この時間に読むことにしようと思う。名誉を重んじるローマ人。ゆっくりだけど着実に前に進むローマ人。それが特徴ということがわかった。2016/03/25