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内容説明
「世間知らずのお嬢さんに漫画は描けない。働いて世間を知りなさい」漫画家・近藤日出造に言われ、満州で働き始めた上田としこ。時代は戦争真っ只中。女が一人、社会で働くことの様々な困難に直面する。
「言わずにはいられない女」としこは、戦時下の会社組織とは勿論、同じ女同士とも衝突する。
そして1945年8月15日、戦争が終わる。日本敗戦───。
だが、満州における日本人の本当の“戦い”は、ここから始まるのだった…!
上田としこの運命は果たして!?
時代の暗さと空の美しさの両面を描破する第4集!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
南北
52
としこは慰問のために列車で満洲全域を訪問することになり、絵を描くことの楽しさを再発見する。やがて終戦になり、ソ連軍が進駐してくるが、ロシア語が堪能なとし子の父が交渉して、居住認可証をとることに成功する。やがて各地から引き上げてきた人々を居住しているアパートに収容し、籠城するようになる。ソ連兵は文盲が多いようで絵で兵舎などの場所を支持しているのは驚いた。としこはビアホールの窓ガラスに絵を描いたり、劇場の看板描きなどを行うが、戦中から戦後への変転が急激に起きている点が特に印象に残った。2025/04/02
みんにゃりん
19
下の下の下と言われる部署に配属されても楽しんじゃう姿勢が好きだ。だけどそんな満州鉄道もトラブルをきっかけに退職。その後新聞社へ再就職。敗戦。だけどお父さんがロシア語に堪能だったおかげで住居は守られ、食料も確保されていた。宮尾登美子さんの敗戦ほどの悲壮感はまだ無い。2015/07/08
ジロリン
14
発売日に買って、読んでたのに感想をアップするの忘れてた…な~んか主人公にとって、戦争が「切実なもの」に感じられない筋運び(作者はわざと悲惨な描写を避けているのでしょうか)に、妙な反発を覚えてしまう。そのため、せっかくの主人公の熱意や行動力が「しょせんお嬢様のお遊び」に見えてしまい、どうも物語にのめり込めない。でも、というか、だから開拓少年団とのやり取りが、とても感動的だったのだろうか。2015/02/04
ギンジ
11
現実的な戦争の話はやはり怖い。目を背けたいけど、知らなければいけない史実。上田としこさんと、満州開拓青年義勇隊の少年たちとのエピソードには、何とも胸の詰まる思いになりました。戦後70年、体験者が高齢化してゆく中、記録にとどめ多くの人に伝える手段として、こういった漫画は重要な役割を担う気がします。が、思い出して話すのもとても辛い作業でしょうね。2015/07/29
fukumasagami
11
大草原の真っ只中に… 少年達の村がありました。 小さな 小さな、 島のように…2015/04/12