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内容説明
少女雑誌の勃興と漫画追放運動。
自分ひとりで、自分の決めた道を歩まんとしてきた
上田としこの前に現れたひとりの男。
周囲の猛反対の声にも耳を貸さず、
小新聞社の新聞記者、政治ゴロとも噂されるその男と
としこは結婚する。
1950年(昭和二十五)、世の中は戦後復興の渦中にあった。
次々に創刊される雑誌、新しい家庭、そして新しい漫画。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
みんにゃりん
18
マンガを焚書された時代があったのか。ショック。ある意味図書館戦争的な時代に突入。火の鳥って少女マンガだったのか!(・Д・)へーーー。知らんかった。結構学校では習わない近代史の勉強になってます。2016/06/25
またおやぢ
14
女性が気兼ねなく漫画が描ける時代の到来。自由の雰囲気が出始めると、何時の世の中にも反対勢力がでてくるのだね。秦の焚書坑儒を思わせる悪書追放運動。手塚治虫氏の主張にはやや無理があるけれども、彼らが立ち向かったからこそ、世界を魅了する日本のサブカルチャーが今の隆盛をむかえたのだろう。それにしても、中村めい子って凄いなこの時代から第一線で活躍していたのかぁ...と感嘆しきるのシリーズ第7巻。2016/04/28
テイネハイランド
7
図書館本。全10巻シリーズの7巻目。物語で扱われている時代は昭和25年(1950)10月~昭和31(1956)。月刊少女雑誌「ひまわり」で子役スター中村メイコと組んでルポを連載することになったヒロイン。「メイコちゃんは詩や文章を書くのもとても上手、有名な子役でありながら「ひまわり」の読者投稿欄の常連となり、第一席の座を同学年の正田美智子さん(現皇后陛下)と常に競い合ったという才女です。」ほかにも悪書追放運動とか当時の時代背景をうかがわせるエピソードをさりげなく入れてくるのが上手いマンガだと思います。2022/10/08
ふわりん
7
大きな流れとしてはやっぱり結婚!漫画一筋のとしこさんが結婚して仕事と家事の両立が上手くいくのかなぁと、ただの傍観者の私でさえそう思うんだから家族が不安になるのもわかるわぁ。まぁ家族は相手に不安を感じてるのが一番の理由なんだけど。あの時代に、仕事バリバリ、家事もこなして、ってスゴい!家事ったって洗濯掃除は全て手でやるんだし家電がなかった時代ですもんねぇ。これ、ホンマに実在の人の話なんでしょうかってお聞きしたくなるほど。毎回書いてるんだけど現代の働く女性の話を見てるみたい。つくづく今の時代に生きて欲しかった。2020/05/20
筋書屋虫六
6
若き手塚治虫さんが登場してきました。上田さんも漫画界の旗手として、悪書追放運動の矢面に立っていたんですね。しかし、ああいう市民運動って戦時中の国民清心総動員運動の「パーマネント禁止!」ってやっていたおばちゃんと同じですね。上田さんはいつもそういうものに立ち向かっている気がする。そして強い女性はダメンズに弱いのであったー。(健さんをダメンズと決めつけて良いのかどうかはわかりませんが…。)そして漫画界はストーリー漫画の時代へ。何を書くべきか逡巡する上田さん、今度は自分自身の漫画に真剣に立ち向かうのか?!2016/07/14