出版社内容情報
沼正三、増田通ニ、寺山修司、森茉莉、東野芳明・・・・・あの時代のホンモノの才人たちが鮮やかに蘇る。土方巽に「正当な不良」と評された男の不思議回顧録。
内容説明
戦後最大の奇書『家畜人ヤプー』の沼正三、「暗黒舞踏」の土方巽、「ドッキリチャンネル」の森茉莉、「天井桟敷」の寺山修司…。あの時代のホンモノの才人たちが鮮やかに蘇る。
目次
沼正三のプロペラ航空機
パルコを作った増田通二の更地
コルセットをした土方巽
森茉莉流ベッドに転がるテレビ
寺山修司はなぜ演出家を別格視したのか
母萩原葉子再婚話
東野研究室のドラムセット
著者等紹介
萩原朔美[ハギワラサクミ]
1946(昭和21)年東京生まれ。母は小説家・萩原葉子。祖父は詩人・萩原朔太郎。初期の「演劇実験室・天井桟敷」で演出家として活躍。現在、多摩美術大学教授。映像作家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
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感想・レビュー
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ぐうぐう
12
萩原朔太郎の孫である著者が出逢った昭和を彩った才人とのエピソードを綴った手記。冒頭の沼正三のえげつない逸話からぶっ飛びだが、パルコを創設した増田通二との交流を描いた章がいい。増田の支援を受け、著者は雑誌「ビックリハウス」を創刊する。その過程で、増田の都市論に戦後体験が透けて見えるエピソードにグッと来る。あと、天井桟敷に在籍していた著者が、演出にまるで無関心な寺山修司への疑問を自問自答する章も印象的だ。ともあれ、昭和という時代だからこそ可能だった人物とその出会いに、平成の寂寥感が逆に浮き彫りにされる。2012/11/27
Tsuneto Ishi
1
新しくて面白い文化が生まれた時代が1970年代だと感じた。先例が無いことにチャレンジする志向が鮮明で、かつそれを制御する者がいないというある意味良い時代に思える。2015/02/15
almondeyed
0
萩原朔美の若い頃の物憂げな表情を写真で見ると、この人は、本に登場する曲者達が放っとけないオーラを放っていたのかなと、逆に思った。寺山修司のエピソードは、大半が美輪明宏絡みで書かれている。美輪さんも昭和時代を濃く生きた人だけど、いまだに活躍中だから故人と一緒には書けないよね。2014/05/23
こさと
0
地元図書館の本。 萩原一族は皆目元が同じやなー、ていうかこの本めちゃくちゃ刺激的やなー、と思いました。2025/05/16