- ホーム
- > 電子書籍
- > コミック(少年/青年)
内容説明
『フイチンさん』の連載は人気の絶頂にあった。
次々にアイデアもセリフも湧き、上田としこものっていた。
そんな折、掲載誌「少女クラブ」の28歳の若き新編集長・丸山昭はとしこに言う。
「『フイチンさん』の連載を考え直してくれないでしょうか」
以前は小説や読み物が中心だった少女雑誌も、今や漫画が雑誌の柱になり、「漫画」に、「少女漫画」に、新しい大きな波が押し寄せてきていた。
漫画は変わる。時代が変わる。
漫画家・上田としこ「苦悩の絶頂期」の第9集。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
またおやぢ
15
時は積み重なり人は移ろい、時代は流れ世の中は変わっていくとしても、創造者の産みの苦しみはいつの時代においても変わらないということか。漫画が有害図書と呼ばれていたことなど、今の時代では想像もできないことだが、それは先達が自らの意思と行動で勝ち取り、我々の世代に残してくれたからである事に気づくシリーズ第9巻。2017/03/11
ジロリン
14
人気絶頂!なのだが、盟友である長谷川町子が病気休載したり、水野英子など新しい才能がどん出てくるなど、としこの行く先に"下り坂"の気配が…で、次巻完結です。引用されてる「フイチンさん」(私は未読)のタッチの洒脱さに驚く。手塚治虫が「僕は正式な美術の勉強はしてないから…」と言い訳するはずだ(笑) あと"トキワ荘"が少女マンガの供給源としての役割を果たしていた、という話は目鱗。だから水野英子"も"メンバーだったのか!そして、石森章太郎の名作中の名作「龍神沼」も"少女マンガ"だったことに、今更ながら気づくw2017/02/02
gelatin
7
★★★ 読むのがしんどかった、というのが率直な感想。たぶん上田としこ自身が生き生きと漫画を描くシーンが少ないからだろうと思う。若い人への嫉妬や、編集者達への頑なで居丈高な態度。体力の衰え。あと、甥っ子へのあの態度は、巻末にご本人のお名前がなかったらけっこう辛い。働く独りの女の良くないところ全開で、それが切ない。次巻が最終巻、どこまで描くんでしょうか。死ぬところまで?自分のキャラたちに迎えられて…みたいなラストだったらやだなぁ。それでも『フイチンさん』そのものの輝きは失われない。それが最大の救いです。2017/02/10
suisei214
7
とうとう萩尾先生が!!厳しい性格でぶつかり合うしかなかったのも時代かな。しかしネームいじる編集はまずい…今でもたまに問題になりますよね2017/02/05
ふわりん
5
詳しくはわからないけど名前を聞いたことがある漫画家さんたちがたくさん登場してきて、上田としこさんがどれだけ交流が広い漫画家だったかよくわかった。さすがに長谷川町子さんは「サザエさん」で知ってるけど、上田さんと長谷川さんで女性漫画家の基を築いたんだなぁ。スゴい二人だ。相変わらず強気で高慢に見える上田さんだけど、田舎から働くために上京してる人たちにも優しい、後輩たちにも厳しいようで思いやりも見せる、家族は大切にする、など優しいところもありホッとする。漫画の歴史もよくわかり面白かった。2020/05/21