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内容説明
中世ペルシア語からアラビア語に訳された説話をもとに,各地の説話を糾合して16世紀のカイロで編まれたアラビア語文学の傑作。アラビア語原典からの完訳版。第11巻は,第462夜から第536夜,「死の天使とたかぶる王者と篤信家との話」など18の短編と,長編「蛇(くちなわ)の女王の物語」。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
roughfractus02
7
ギリシアの賢者の息子で文盲の主人公が洞窟を彷徨い、人頭蛇身の者達が住む地底国で歓待される。その女王が語る物語の主人公はユダヤの土地を彷徨い、墓前で泣く青年と出会って身の上話を聞く。本巻で最長の「蛇(くちなわ)の女王の物語」は3人の冒険物語を枠物語的に配し、各物語で動物や怪物に読者を出会わせながら、最初の物語の主人公の帰還の場面に戻る。面白いのは、文盲の主人公が父の学問に興味を持つと、絶対的真理と知をもたらしたムハマンド以後の学問は虚しいと書かれた父の文書に宗教的信条が示唆される点だ(第462-536夜)。2022/08/21