- ホーム
- > 電子書籍
- > 教養文庫・新書・選書
内容説明
中世ペルシア語からアラビア語に訳された説話をもとに,各地の説話を糾合して16世紀のカイロで編まれたアラビア語文学の傑作。アラビア語原典からの完訳版。第12巻は,第536夜から第584夜,「海のシンドバードと陸のシンドバードとの物語」「黄銅城の物語」「女たちのずるさとたくらみの物語」(前半)。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
roughfractus02
8
本巻には、資産家となったシンドバードが同名の若い荷物担ぎに7つの航海体験を語る冒険譚が収められる。が、巨大な鯨や鳥や蛇や猿、人喰い族、ダイヤモンドの山、井戸の中の世界、悪魔の兄弟が住む町等への冒険には、遭難での財産の喪失、遭難した島での財産の収奪、沈没船の発見による財産の奪還が付随し、バグダッドを基点としたインド・インドシナ海路を行き来する海洋貿易の歴史背景が垣間見え、そこに貿易商人の成功物語が重ねられる。生きるために人を殺し、死者の金品を奪う主人公は西洋冒険譚の英雄ではなさそうだ(第536-584夜)。2022/08/22
TeTsu
0
前嶋先生の体調が気になる2009/11/06