内容説明
「善悪の判断のある者に頼みたまえ。ボクみたいな人間は役に立たないよ」繭墨あざかは知人からの頼みを断わった。『人魚』に関する悪趣味な娯楽に飽きたのだ。だが、あるおとぎ話を読んだ彼女は一転、依頼を受けると言い出した。その微笑みは不吉な兆しにしか思えない。それでも、僕はもう馬鹿げた怪異による犠牲者を出したくなかった。たとえこの手が届かないものであったとしても--。残酷で切なく、醜悪に美しいミステリアス・ファンタジー第3弾!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
坂城 弥生
45
小田桐の覚悟の無さが明るみに出た感じかな。死にたいと願う人間を「目の前で人が死ぬのを見たくない」と身勝手な理由で引き留めたくせに容易に手を離す。あさとからみて弱点以外の何者でもない。まあそういう優柔不断さは人間らしさと言えなくもないけど、中途半端な同情や自己満足の救済はかえって残酷だと思うけど。2020/12/31
Yobata
23
「狐」。繭墨あさとが再び動き出す…。影に獣を飼っている一族から抜け出した灯とそのお付きである日傘と共に奇妙な依頼を受けていく。夜になると海が満ちて人魚とは言えない化物が現れる依頼,とある公園で灯が衰弱する話,母親と大切な友達を殺してしまった女の依頼,狐との再対面の話の4編連作。狐の行動はとことん醜悪だな…。小田桐の罪悪感と自己欺瞞を生むために、人魚を化物にし生者を連れ去り、人形に縋らせ自殺させ、死体を甦らせ目の前で消す。残酷すぎる…心が崩壊するでしょ…。その被害者である灯などが最後に笑って去っていくのが→2013/04/05
た〜
16
これはもう77ページに尽きるでしょう(嘘2014/11/07
サキイカスルメ
14
あー、救われないかぁ……。悪趣味な事件が大好物な繭墨と、鬼がお腹にいる普通の人間小田桐君のお話3巻。前回が救いが少しだけあるお話だったのに対して、今回はどん底まで突き落としてくるお話でした。小田桐君の空回りっぷりがひどいんだぜ状態。頑張れば頑張るほど絶望に襲われるなんて地獄仕様でした。誰かを大切に想う気持ちが強かったからこそ、その人自身を闇へと追い込んでいく理由になってしまったものばかりなのが切なかったですね。後味は悪いのに続きは読みたくなるので不思議なものです。もう少し回復したら続きも読みます2015/01/19
1_k
9
胸糞悪さにも三冊目だと慣れてくる。持ち味というか、よくもまあこのバランスを保てるものだと思う。そしてまさかの「神」再登場。レギュラーとして定着するのか。2013/09/17
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