内容説明
「忌ま忌ましい」燃えさかる炎を前に繭墨あざかは囁いた。麗泉女学園生徒の自殺に端を発した、奇怪な紅い花にまつわる一連の事件。その裏に見えるのは、異界へ置いてきたはずの繭墨あさとの影だった。そして学園で出会った、猫の仮面に黒いマントを纏った少女、神宮ゆうり。少女は芝居じみた仕種と、あさととよく似た歪んだ笑みで僕たちに告げる。「--猫は狐の使者だ」と……。残酷で切なく、醜悪に美しいミステリアス・ファンタジー第5弾!
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
坂城 弥生
42
うん、憎い相手を殺せないのは意気地なしって言うと思うよ。2021/01/01
Yobata
19
狐を異界に沈め日常に帰ってきた小田桐。本家からの依頼で花に怯えた女子生徒の死の謎を解く。そこで遭遇したのは狐に似た一匹の猫だった。花に怯えた少女達と猫との遭遇,復活した白木綾の贖罪,花に囚われた少女の救出,花が産み出す指に執着した少女の救出,猫が孕んだ狐の化物の処置の為、再び異界に行く話の5編。麗泉女学院の女子生徒同士の血で血を洗うような上っ面だけの血みどろな関係は醜かった…w人を呪わば穴二つ、志月も結局は自業自得だと思う。今回のメインは「猫」神宮ゆうり。子宮を通して異界に通じる異能の持ち主で狐を再び→2013/04/16
KEI
14
購入。こちらの気持ちを踏みにじり、希望など完膚なきまでに唾棄にし、読者と小田桐を絶望の淵に叩き落とすのがB.A.D.である。というか、それが繭墨と狐の物語であった。今回もグロさ、えげつなさは相変わらずだったが、猫の物語、狐の模倣ゆえか、自分の予想が追いついてしまったのが少し残念。狐の物語もこれでやっと終了ということで、次のシリーズが気になる。2011/06/19
伊瀬有佐
10
小田桐ェ……もうあさとと離れられないんですね、判ります。狐にひとめぼれした話をしていた猫が可愛かった。猫可愛いよ猫。志月と沙織のことを詳しく。これで本当に狐編が終わりなのか。綾ともフラグ立った気配が。白雪さんと雄介が空気。表紙の雰囲気が変わってる気がする。と言うか、『ハムレット』と『ハムレット・マシーン』は違うのか。せっかく『ハムレット』買ってきたのに。2011/05/18
Pustota
6
閉ざされた女子高での怪異。そのにちらつく、いなくなったはずの狐の影。人を救うことも、犯した罪を背負うことも、悪人を殺したいほど憎むことも、実はとても難しくて複雑。そこに泥臭く向き合う言葉と選択が印象的だった。2023/11/13