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内容説明
蒙古に属するツォグ族の皇子ユルールは、敵国であり亡き義母の出身国である西夏の文字に魅せられ、その義母が残した“玉音同”と呼ばれる文字盤を手に一族を捨てる覚悟を決める。そして、西夏を憎み全てを焼き尽くす蒙古から文字を守るため、文化を書き継ぐ習わしのある宋国の町・成都を目指す道中だったのだ。事の成り行きは須藤(=シュトヘル)には関係なく思えたが、そんな中ユルールの口からシュトヘルとの出会いが語られる。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
眠る山猫屋
23
西夏文字を存続させるために流浪の旅に出たユルール。旅先案内人はアルファルド、破滅型の商人だ。この人、本当は商人に向いていないんじゃないかな?被加虐待性を抱えた彼は、シュトヘルに残忍に殺されたがっている様に見える。そのシュトヘルも、ユルールに影響される辺り、まだ『なんにもない』わけじゃない。2017/06/07
さとまみ(コミックス&BL小説専用)
17
うーむ。どちらの生き方もわかる。「綺麗事」を貫き通すには「暴力」も必要だと思うけど。2016/08/30
exsoy
16
文字は読めなきゃただの線。読む人こそがやっぱり大切なんだと思う。2009/10/31
柊龍司@中四国読メの会&読メ旅&読食コミュ参加中
14
文字の大切さ、伝えていく事の大切さ、伝えられなかった出来事や埋もれてしまった出来事を全て知りたい。でも、それは不可能だから物語に惹かれるのかもしれない。2010/12/09
鈴
13
我が家には父が2歳になる前に戦争で亡くなった爺様が、戦地から送った葉書が何枚かある。「〇〇←父はそろそろ歩いたか」「長男を余り厳しく叱るな」等と余白を惜しむ様に書いてある。識字率の低い本作の世界で、文字の有り難みを知った皇子。文字を守る為に一族を裏切り旅立つ。皇子の兄を仇とする悪霊は、死んで行った同胞の名を文字にしてもらう。必死に同胞達の記憶を残そうとする悪霊が文字となった同胞達を見る表情は、箪笥の奥から葉書を見付けた時の父の顔とよく似ていた。上手く言えないが、なんだか泣けた。2017/06/10