角川文庫<br> 遺跡発掘師は笑わない イクパスイの泪

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角川文庫
遺跡発掘師は笑わない イクパスイの泪

  • ISBN:9784041159774

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内容説明

北海道の南部、日本海を望む上ノ国町の中世の館らしき遺跡の調査に派遣された西原無量たちは土の中から漆塗りのイクパスイを発見する。
イクパスイとはアイヌ民族が神(カムイ)に祈りを捧げる時に用いる祭祀の道具。
美しさに息を飲む一同だったが、その遺物と全く同じ姿形のものを地元の住人が所有していたことが判明する。
それは戊辰戦争時に旧幕府軍の兵を助けた礼として「土方歳三から贈られた御礼の品」だと一族には伝わっていた。

そのイクパスイに添えられた書面には、旧幕府軍に〈龕灯と蝋燭〉を貸し渡した際の担保として預けたことが記載されているのみで、およそ500年前の土坑跡から見つかったイクパスイとの接点は見いだせない。
無量とソンジュはこの2つのイクパスイのつながりを解明すべく、調査を開始する。

時を同じくして、明治元年に江差沖で座礁した開陽丸の水中発掘調査のため北海道にやってきていた司波孝たちに、突然「水中発掘をやめるように」との連絡が入る。
どうやら江差沖で新たに発見された謎の和船の船箪笥にその理由があるようで、調査チームも困惑する中、ついに調査用ボートの船外機が何者かによって破壊されてしまう。
萌絵と忍は、中止要請を出した者とその目的を探ることになったのだが、謎の和船について調べを進めると、沈没時に〈龕灯と蝋燭〉を積んでいたことが史料から明らかになった。

「としぞうのイクパスイ」と沈没した謎の和船に現れた〈龕灯と蝋燭〉という共通のことば。
幕末の出来事と現代の事件に影を落とす、そのことばの意味は果たして…?

大人気発掘ミステリシリーズ第20弾は果てなき大地へ…北海道編!

感想・レビュー

※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。

よっち

23
北海道の南部、日本海を望む上ノ国町の中世の館らしき遺跡の調査に派遣された西原無量たちが、土の中から漆塗りのイクパスイを発見する北海道編。その遺物と全く同じ姿形のものを地元の住人が所有していたことが判明。戊辰戦争時に土方歳三から贈られた御礼の品だと知り、2つのイクパスイの繋がりを解明すべく調査を開始する無量とソンジュ。一方で明治元年に江差沖で座礁した開陽丸の水中発掘調査にやってきた司波たちのトラブルに思わぬ繋がりも見えてきて、優秀なソンジュが無量を意識する構図の中で、無量と忍との関係が気になるところです…。2025/04/22

Y.yamabuki

14
イクパスイとは、アイヌの人達が神様(カムイ)に祈りを捧げる時に使う祭具。いつもながら話しがあちらこちらに飛び、新たな事象を追いながら進むので追いかけるのに四苦八苦。けれどそれも楽しい。最近アイヌが関係する作品、西條奈加さん「六つの村を超えて…」や早見俊さん「田沼と蔦重」を読んだところだが、また違った側面、 特に文化を知ることができて興味深かった。新たに加わったシム ソンジュもまだ謎。最後のシーンの忍の行動は?次作が楽しみだ。2025/08/15

うめきち

13
今回もしっかり勉強させてもらいました。ソンジュはまだ信用ならない。無量推しなので。一気に読みました。面白かった。2025/03/23

Misa

11
今回の舞台は北海道。イクパスイとはアイヌの祭祀具の事だそう。忍は亀ケン辞めても無量の側をウロウロしていて本人の前には現れないけどソンジュのマネージャーとして関わっている。ソンジュは無量をライバル視しているが、無量は頼っていた忍がいなくなったのもあってお兄ちゃんの様だ。ソンジュの過去が明らかになってないから次回からはそれが明かされていくのかな。無量、ソンジュのコンビでいくのだろう。ダイバーさん達のことは記憶が薄れてきているので再読したいと思う。2025/07/10

ねじり

5
ずっと追っているシリーズなので…今回はちょっと微妙。なんかしのぶちゃんとソンジュの真意が読めないのがひたすらモヤモヤする。 アイヌ好きなので面白いんだけどなんかなぁという気持ち。2025/04/07

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