内容説明
永倉萌絵が勤める亀石発掘派遣事務所には、絶対的エースがいる。世紀の発見を繰り返し、天才発掘師と名高い西原無量、その人だ。奈良の古墳から出土した宝玉をめぐり、無量たちの周囲に暗い影が迫る!
※本書は、二〇一一年十二月に刊行された小社単行本『ほうらいの海翡翠 西原無量のレリック・ファイル』を加筆修正・改題の上、文庫化したものが底本です。
感想・レビュー
※以下の感想・レビューは、株式会社ブックウォーカーの提供する「読書メーター」によるものです。
青蓮
125
今シリーズ最初にあたるので情報量膨大で脳がパンクしそうになりますが、壮大な歴史ロマンが楽しめます。ご存知な方はご存知「炎の蜃気楼」の原作者さんですが、前作よりもライトな作風なので、読みやすいと思います。追いかける予定です。2017/02/18
ちょろこ
89
シリーズ第一弾、の一冊。鬼の手を持つ遺跡発掘師にまず興味惹かれ、軽く楽しめる系かなと思いきや、いやいや二時間サスペンスばりのがっつり系で楽しめた。奈良の上秦古墳から発掘した出土品が思いもよらぬ事件を巻き起こし、予想外の展開へ。時事問題をさりげなく絡めてあるところは現実感をおびていてどんどんひきこまれた。古墳や遺跡についての知識は全くないけれど、興味だけはある!そんな自分には土の中の遺物にロマンなるものを感じられ、心地よかった。シリーズをゆっくり追いかけたい。2018/10/23
かりさ
89
遺跡発掘にまつわる史学も絡めたお話、ということで面白く読みました。実は私のお仕事はこの遺跡発掘調査。遺跡発掘のイメージとしたらここに登場する遺物発掘師・西原無量のように遺構や遺物を掘る作業。でも私が担当しているのは遺構を図面書きや測量、作品にもちらりと出てくる土器洗いに註記、拓本、遺物の実測。かの時代の遺構や遺物に関わる仕事は地道ながらもロマンがあります。今回の舞台は奈良。発見された緑色琥珀「海翡翠」を巡り物語は展開。歴史とミステリの融合は読み応えあり大変楽しめました。まさに歴史発掘ミステリ、でした。2016/07/09
☆よいこ
80
遺跡発掘師①西原無量(さいばらむりょう)シリーズ「蓬莱の海翡翠殺人事件」歴史ミステリー。何故か2時間ミステリ劇場みを感じた▽亀石発掘派遣事務所の雑用係、永倉萌絵は海外にの発掘現場から帰国した天才発掘師、西原無量のマネージャーとして奈良県上秦(かみはた)古墳へ向かう。無量は鬼の手に導かれ、緑色琥珀(りょくしょくこはく)を発見したが、発掘依頼者の教授が研究室で殺されてしまう。萌絵は研究室から逃げる、無量の幼馴染、相良忍を目撃する。遺跡に隠された秘密とは▽犯人は海を見ながら告白するんだよね。面白かった2024/01/22
papako
77
ずっと気になっていたシリーズ。表紙とタイトルから、海外が舞台だと勝手に思っていたら、奈良から沖縄が舞台だった。鬼の手を持つ宝物発掘師の西原無量が挑む奈良の古墳から見つかった緑色琥珀から殺人事件がおこる。宝玉、銅鏡が繋ぐ奈良と沖縄の真実。そして過去の殺人事件まで。財閥、エリート集団、幼なじみ。イケメン、秀才、格闘技。盛りだくさんな設定がこれでもか!と詰め込まれている贅沢さ。最初は萌絵が馴染めなかったけど、無量が活躍しだしてから楽しくなった。シリーズ続いてるから、ぼちぼち楽しみます。2019/04/08